第24話 避難所での話【後編】
体育館に設置されている時計を見ると、現在時刻は22時36分を指していた。
子どもたちが少し前くらいからはしゃぎ疲れて自分の仕切りに入って静かになったため、外の激しい雨音がもろに聴こえてくる為、寝ようとしても眠れなかった。
高齢者は既に睡眠モードで1時間前くらいから寝ている、高齢者って寝るの早いよな。
「勉、寝てる?」
絵美が少し眠たそうな声で話しかけてきた。
「いや、雨の音が激しすぎて眠れない」
「私はね、思ったより眠れそう……」
「良かった」
「おやすみぃ」
絵美が寝てしまい、話し相手がいなくなったところで、僕も寝る努力をしょうと思い、布団に包まった。
「勉、起きて! 朝!」
絵美に起こされて目を開けると、間近に絵美の顔があった。
「おはよう」
「おはよう勉! 今日も学校休みで自宅学習だって!」
「そっか、教えてくれてありがとう」
外の様子が気になり、ギャラリーの窓を見ると、昨日とほぼ変わらない激しい雨が降っていた。
「すごい雨だなぁ……とりあえず起き上がれないからちょっと離れてくれる?」
「あ、わかった」
そういうと絵美は顔を離してくれたので僕は起き上がり少し髪を整えてから絵美の方を見て口を開く。
「起こしてくれてありがとう、昨日はあまり眠れなかったよ、絵美は眠れた?」
絵美は少し考えてから返答した。
「私は一応眠れたんだけど……でも夜中の3時くらいに起きちゃったんだよね」
夜中の3時か、こんな激しい雨でしかも学校の体育館っていういかにも怪奇現象が起こりそうな空間で一人目が覚めるのは絶対に嫌だな。
「凄い怖そうだね」
「うん、怖かった、だから誰かが起きるまでレースゲームやってた」
あぁ、あの三千時間やってるレースゲームか。
学年一の美人が同じく学年一の天才と交際したら最強になった件 福サーモン @FUKUN
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