第20話 バレンタイン

ハミル式バレンタインデー


「ルルサ、パンジーの紫。輪郭が似てるし、落ち着いた趣きがソナタのようだから」


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アロヤからバブル

「いつもありがとうな、バブル。水仙の切花、一輪だ。黄色。花瓶花瓶」


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クルム、ミサキ

「シンビジューム、ラッピングしたよ。ピンクの花びらに中心の唇弁が紅くて鮮やかだろ。手にとってみて。うん。」


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96才そばかすフェニックス侍から

80才ガクジへ

「ガクジばあさん、鉢植えのサザンカじゃ。落ち着いた雰囲気じゃし。白がほれ、似合う齢頃じゃろ」


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殺陣師ササラから高校教師コココ

「寒椿でござる。美しく誇らしげな姿と濃いピンクがどことなく力強くて、お主の写し花のようじゃ。ちょっと遅いかもしれんが、苗で買ってきたから一緒に育てるぞい」


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父アネハから娘アユラ

「アユラ、ミルクチョコレートだ。お前の花はコスモス。また夏に」


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ユーメからイケル

「イケル。うーん、よく分かんねえけどアネモネにした。聞いたことあっし。有名な花だからいいっしょ。青紫、なんかエロスって感じ。えっだってお前エロいじゃん」


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兄ガルオから妹マンバへ

「アルストロメリア。中心部の斑点がお前のメイクみたいに華やかだ。日持ちするようだから、花瓶に生けておくぞ。2輪、大きいのと小さいの。兄妹みたいだな。うん?水換えて、手入れすれば2週間くらい咲いてるみたいだぞ」


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アキカからパツンへ

「大阪での暮らしは如何ですか。バレンタインですので、お花をお贈り致します。クリスマスローズのシックな様子を見ていたら、あなたの姿が重なり私の瞼の裏に写り留まっています。長くて真直ぐな貴女の髪色と同じカラーです。ユーカリの葉で包んだブーケを送ります。一筆添えさせて頂きます」 


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バコタからチナナ

「花束を受けとってください。フワフワで可愛くて、あの、あの。あと、あれなんだっけ、この。そう!それ、かすみ草と一緒にほらストック。赤、青、ピンク、白、オレンジ、黄、紫。あの、付き合ってください」


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弁護士タケー、お嬢ルイコ

「シクラメンの鉢植え。はにかんだ姿や、物悲しげな雰囲気。汐らしキミへ。恋法14条」


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チャリルからチュリミへ

「班の濃い赤。カーネーション。貴殿はハミルENの母」


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花美留

恋法14条

2月14日バレンタインデーに男性から花を贈られた女性は3月14日に返礼をすること、と定める


第1項

2月14日バレンタインデーに男性より花と共にありし情念を伴う告白を受けた女性は、特段の事情がない限り、3月14日を返答の日と定める

返答の言葉は返礼に含むモノとして認められると解する


第1項1号

第1項に依りて返礼とは、物品の供与及び言語による返答を基本的事象として定めるが、

又、各々女性個人の思考に慮る返礼に値すると思われる行動も有効であると見做す


第2項

2月14日バレンタインデーに花を受け取った女性は、格段の喜嬉とした感情が発生しない場合においても笑や喜といった情念を、例え感情乃試練に直面しようとも、表現しなければならない


第2項1号

上記第2項に依る行為がサプライズを含む行動であったならば、例え前段階で認知の範囲に自己の察知を有した場合においても、静観し隠し種が実行されたならば礼節として驚の表現をしなければならない


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#20250214

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