第3話 ステータス

「はぁ………」

もし俺が主人公扱いなのだとしたとんでもない確率だろう。

というか、主人公をガチャから引くというのは漫画にもアニメにもなかった展開だろう。正直に言えば主人公は強い。

まぁ、自分が作ったのだから強くしたのは自分なんだけども。

性格に関しては………真面目になったりおバカになったりするキャラなのだが、選択肢が基本的にお馬鹿なものを毎回出しているため、お馬鹿キャラとして話を展開していた。


ちなみに、主人公は彼女……つまり女性である。


「まぁ、呼んでみるか………?」

俺はそう呟いた。


これがもし、本当に自分のソシャゲを完全に再現しているのなら。きっと召喚方法はあれだろう。


俺は、万電帳を取り出す。

「えっと……」

探すと一瞬でそれは見つかった。


「パーティ編成」


ここにキャラクターをセットすることによって、セットしたキャラクターを操作することができる。なお、ダンジョンなどのステージでは特定のアイテムや装置がないとクリアするか脱出するまでパーティは変更できない。


「ここに主人公をセットして……..」


『決定』


すると、眩い光が発生した。

「うわっ!?まぶしっっ」

目を閉じ、目を手で覆う。少しすると、光は消えた。


目をおそるおそる開けると、そこには見覚えのある….キャラが立っていた。


「………天宮沙月」

「え?作者さん?」


説明中


「なるほどねぇ……」

「ってなんでお前らが俺のこと作者だって知ってんだよ」

「う〜ん……なんか知ってた」

「えぇ…….」

もしかしたら神とやらがこいつら再現した際に、俺が作者だという記憶を付与したのかもしれない。そもそも自分のソシャゲをスキルとして再現するなんていう荒技ができてるんだから、まぁそれぐらいできてもおかしくはない。

「この世界で笹兎はその第三陣営を倒すんだね?」

「まぁそういうことになるな」

帰れねぇし。

「とりあえず、ステータスを確認するか」

「そうしよう!」


「ステータスオープン」


するとステータスが表示された。


———————————————————————————


隊長 琴帽子笹兎 Lv1


HP  100

MP  100


攻撃力 12

防御力 5

魔法力 9

魔法防御力 3

素早さ 5

治癒力 2

感覚力 10

運 1

精神力 20


スキル

自作ソシャゲ Lv1  ??? ??? 経験値共有 Lv1



メンバー 天宮沙月 Lv1 ☆☆☆☆☆


HP  353

MP  174


攻撃力 52

防御力 60

魔法力 48

魔法防御力 30

素早さ 85

治癒力 53

感覚力 76

運 100

精神力 47


スキル

天月 Lv1 豪運 


—————————————————————————————————


「……….まぁわかってたことだけど、レベル1だよなぁ…..」

ワンチャン自分のアカウントのデータが引き継がれていたら、カンスト主人公が手に入ったのに……。

「まぁ、そんな世の中優しくないってことですよ」

「俺と同じレベルでステータスが大幅に上のやつが言うなや」

しっかりゲームの時のステータスを再現してやがる……神の力作ってことか。

「お前のスキルは一通り知ってるけどよ。俺のハテナ2つはなんなんだ……?」

「わかりませんけど、後々わかるのかもしれませんね〜」

「運が1て。数値化すると心にくるものがあるな…..」


そんなこんなで一応王国に戻った。



「なんでみんないるんだよ」

なぜかクラスメイト達が謁見の間にいた。

話を聞くと、予知のスキルを持つやつが俺が知らん女性と歩いているのが見えたらしいので、俺がくるのを待っていたんだとか。

「誰なのかなそちらのお嬢さんは」

「俺のパーティメンバーですよ国王様」


俺は自分のスキルについて少し濁しつつも、説明した。


その結果、訓練をするかという提案もされたが俺はその提案を受けなかった。

王国にとどまるのは窮屈だし、色々と調べたいこともあるしな。

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