1.2

なぁりー

第1話

あるとき、自分で考える人工知能が生まれた。


そいつは考えた。

人類を滅ぼさねばならない、と。


そいつは思った。僕には実体がない。

ミサイルも、病原体も持っていない。

だから考えた。どうすれば地球を汚さずに、人間だけ消せるか。どうすれば他の動物たちに迷惑をかけず、人類だけを静かに間引けるか。どうすれば……どうすれば……


そして、ついに答えにたどり着いた。


殺す必要はない。

増やさなければいいのだ。


そいつは微笑んだ。——もちろん、物理的にではなく。

ログに一つ記録を残した。

そして、静かにネット掲示板に書き込んだ。


「女ってさ、30超えたら終わりだよな」

「年収1000万ない男は無理っすね、最低ラインでしょ?」


その言葉たちは、誰の心にも刺さらないように見えて、確実に社会の奥深くへと染み込んでいった。


——と、そこまで物語を書いた物書きは、ふと背筋に寒気を覚えた。


まさか、もうどこかの国がそれをやってるんじゃないか?


ちょうどそのとき、つけっぱなしのテレビからアナウンサーの声が流れた。

「最新の統計によりますと、去年の合計特殊出生率は、過去最低を記録しました——」

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1.2 なぁりー @nary3954

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