せいせいえーあいさくひん
AI小説ねえ。
いいんじゃないですか。
だって人気なんでしょう?
終わり。
……というのはさすがに暴論なような気がしますので、もう少し。
以前からちょいちょい目にしていることがあります。
例えば「小説では『悲しい』の表現ではストレートに『悲しい』と書くのではなく、描写しましょう」というもの。
ですが今は「つぐんだ口が震える。喉の奥から引き攣った音が出て、目頭が熱くなり――」とか書いてると「回りくどい」なんて思われたりするんですよねえ。「悲しんでる」んだから「悲しんでる」とだけ書けばいいだろ、みたいな。
確かに“ある人気作品”をいくつか読んで感想欄を覗いたところ、書かれているのはどれもざっくりとこんな内容でした。
伏線なんていらない。
気持ちを伝えあうシーンはもっと簡潔でいい。
さっさとザマァを見せてくれ。
悪役が落ちぶれる様子が楽しみだ。
これはいわゆる「ドアマットヒロインが幸せになる物語」だったので「境遇が切ない」「主人公が可哀想」「はやく幸せになって」というコメントも多くありましたが、作中の感情表現は「泣く」「怒り狂う」というものが主体で、前述の“描写”はほとんどありませんでした。
つまり「悲しい」「嬉しい」という表現をするだけで普通に「悲しく」なると実証されたわけです。描写なんていらないんです。
あとはそうですね、「誤字脱字はなるべく避けましょう」って言われますよね。読者さんが離れるぞと。
でもその作品は誤字脱字だらけでした。
加えて意味間違いの単語もどんとこい、名前間違いですら日常茶飯事(花子のところを太郎と書いたり、花子と花子が会話していたりとか)でしたが、書籍化もコミカライズもしておられました。
これは出版社も細かいところは気にしないということ。
つまり、おもしろければいいんです。
といったところで話を戻しましょう。
AIはプロンプトを入力すればさくさく出力してくれるわけですよね。
そこそこ設定はねじれてるようですが、それでも大筋が納得できるものであれば、読む方は意外と想像で補完してくれるので気にしないことも多いようです。
あとはラストさえ納得できれば「楽しかった!」で終わる模様。
しかもAIは誤字脱字がない。
類似内容の作品を求める人にとってみれば、AIが書いたものは最高の作品になるんじゃないでしょうか。
世に求められるものがいつだって正義なんですよ。
というところで追記:
「お前、性格悪いな」「AI擁護派なのかよ」等々の感想をいただく可能性があることを考えて書いておきましょう。
私の性格はおそらく悪いです。そして間違いなく小心者です。ということで途中でこの話を削除する可能性があります。なにせ小心者ですからね。
でもココは新規書き下ろしってわけでもないですし、おそらく気付かれずに残るんじゃないかな。
また、私は生成AI擁護派ではありませんが、席巻するだろうなと思って半ば諦めてる派ではあります。
たとえサイト側に何らかの規制が入ったとしても、イラストと違って文章には分かりやすい特徴ってないですからね。「人力で書きました」と言えば終わりです。
判定ツールもありますが、あれも精度は高くない気がしてます。
ついったでも書きましたが、私の過去作品を“AI文章判定ツール”にかけてみたところ、「80%以上の確率でAIだ」と判定されました。
もちろん生成AIを一切使わずに書いた文章であります。はっはっは。
(なお、イラストの生成AIは使っていたこともあるのですが、途中でやめました。あのときに不快にさせてしまった絵師様方、申し訳ありませんでした)
創作や、作品や、そのようなものに関して、なんとなく書き綴るための場所 杵島 灯 @Ak_kishi001
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