本作、とても面白い!相当に破天荒なアホ話満載である。
しかし、最終話、応援ハート数を見てみれば、僅かに11。星の数も30台。こういう面白い話が埋もれてはいけない。
この話の世界観が、おそらく、この筆者さまの原点であり、DNAなのだろう。しかし、この後、この筆者さまは、自分のもう一つの本拠地(フィールド)でもある「スポ魂もの」に端を発し、お色気系に走り、その後メジャージャンルへ挑戦したり、様々な遺伝子組み換え操作を試みることになる。その遍歴と変わり身の早さも実は面白いのである。
従って、本作を出発点に、各ジャンル読んでみてほしい。
私が思ったのは、こんなアホ話を書いても絵になる方法が世の中にはあるんだなぁ、ということ。遠山の金さんである。
それを見せられちゃあ、ゴザの上に額を擦り付けて、ハハァーーー、と平身低頭するしかないのである。何をおっしゃろうが、ザ・説得力という印籠が飛び出てくる。
カッコええ。人生パスポート、手に入れてみたいものである。
その答えも本書の中に!
読む人を惹きつける文章を書くにはどうすれば良いのか?
この問いに対する答えは一つではないでしょうけれど、自分の人生を形成する日々のドラマを深くを見つめる、という習慣はその一つかもしれません。
エッセイストと呼ばれる方の作品は、しばしば、その人の人生に根差した深い洞察を提供して、読者に新しい視点を開いてくれます。
面白いエッセイが書けるということは、人生を深く観察しているということ。ひいては、文章力があるということではないかと思わせる作品でした。
この作品、エッセイ編と料理人オダジマ編とに分けられます。
どちらも面白いですが、特にエッセイ編では作者さんの人生観がかいま見られるような、生き生きとしたドラマが展開されます。
まるで作者のこれまでの人生を放出するような名文は、読者に新しい世界を見せてくれることでしょう。
このレビューを書いているぼくが特に気に入ったのは『第21話』です。
なお、タイトルには偽り有りです。
タイトルは『クスッときますよ!』となっていますが、実際は、思わず吹き出してしまうので電車内で読むのに苦労しました(笑)
オススメです。ご一読あれ。