すごく複雑な一首なんです。時代の変化や流れを「等間隔にならぶ人」と「波」にたとえ、自分もその波に乗りたいという「願望」と言う三層構造になっています。整然と並ぶ人々からは現代社会の秩序やプレッシャーがひしひしと感じられる気がします。そこに加わりたいという思いには、取り残される不安や葛藤もにじんでいるのでしょうか。シンプルながら共感を呼ぶ一首、だと思います。
バスか何かに乗るのかと思ったら、時代の波。時代の波に乗るのかと思ったら、モデルはサーファーとのことで、海の波。まさにトリプルミーニング。素晴らしい!
私も……私も時代の波に乗ってみたい……。ビッグウェーブに軽やかに乗ってバーンとぶちかましたい……。(でも無理っぽい自覚がある)なんて思ってしまう一首でした。