本作は、西洋風の異世界を舞台に、弱小領主の跡取り息子ベルティカが、運命を変える邂逅を果たす物語です。
全話読了後のレビューです。
温和で少し頼りない彼は、ある出来事をきっかけに、紅い翼を持つ美しい戦士ヤンアルを召喚してしまいます。
記憶を失っているものの驚くべき戦闘能力、それに人間的にも誠実さを備えたハイスペックな彼女は、ベルの人生に深く関わっていきます。
ベルは「無能」と呼ばれてはいましたが、人望と優しさを持ち合わせた人物です。ヤンアルとの出会いを通じ、彼自身も少しずつ成長していきます。
二人の関係は当初は、守られる立場と守る立場でしたが、物語が進むにつれ、その立場も揺らぎ、新たな絆が生まれます。(時に切ない場面にはぐっときました)
脇を固めるキャラクターもまた、非常に個性的でした。
会話や掛け合いには軽妙さがあり、時にコミカル、時に胸を打つ展開を演出します!
戦闘描写は迫力があり(知己さまの作品はどれも映像を観ているように迫力満点ですが)スピード感と緊張感に溢れ、情景が自然と頭に浮かぶ読みやすさも魅力です!
世界観は西洋を基調としながらも、中華的要素を織り交ぜた唯一無二の風合いがありました。
異文化が融合した舞台設定が物語に厚みを加えていると思います。
戦乱、陰謀、そして種族を越えた友情や愛情が交錯するこの物語は、ファンタジーと人間ドラマの両面で楽しめる完成度の高い作品です!
舞台は西洋風の異世界。
主人公は、小さいながらにも領主の跡取り息子。
けれども、性格はのんびりとした青年です。
そんな彼がある日、褐色の肌と赤い翼を持つ美女を呼び出してしまいます。
彼女は記憶を失っているのですが、何せ強い。
でも、可愛い。
素直さ、優しさ、そういうものもしっかりと持っていて、とても魅力的な彼女ですから、主人公が惹かれないわけがありません。
そんな彼女と過ごすうちに彼も成長していくのですが、色々な思惑が絡み合い、事件が起こっていきます。
二人をサポートしてくれる脇役たちもいい味を出してくれていて、物語をグイグイ引っ張ってくれます。
一度開くと、この物語に没頭してしまうことでしょう。
完結済みですので、安心してお楽しみ頂けます!
とても楽しい異世界ファンタジーです。
ちょっと抜けている主人公ですが、そこが共感できるところでもあり、キャラの魅力になっています。
また、そのような主人公なので、成長していくところも期待でき、物語を読み進める力になっています。
そして、ヒロインが不思議ちゃんで、可愛らしく表現しつつ、強さもありラノベのヒロインとして、非常に魅力が高いと思います。
他のキャラクターもしっかり作られていて、個性がありキャラ同士の会話がコメディのように面白いです。
戦闘描写も秀逸で、スピーディーで力強さと緊張感もあり、見ていて楽しめました。
総じて、とても楽しい異世界ファンタジーですので、オススメです!
第七章まで読了
災厄から地を救うと予言される紅き翼を携えし騎士・ヤンアルと、弱小領主の息子・ベルティカが出会うところから物語は始まる
本作品の優れた点は、その異常なまでの読みやすさだ
キャラクターや場面、戦闘シーンなどが、スッと頭に入ってきて、脳内で勝手に映像化される
無駄に引っ掛かる部分がないため、スムーズに感情移入ができるのだ
また、ダメ息子とされているベルティカだが、決してろくでなしではなく、領民に優しく慕われている
次期領主に相応しい人望もあるため、読んでいて快い
七章時点ではベルティカとヤンアルが交流を深めている段階だが、今後災厄が起こるのかと思うと心苦しい
しかし、読者にそう思わせるのは、作者の手腕に相違ないだろう
期待しつつ今後の物語を追っていこうと思う
地方領主のダメ息子(ただしイケメン)、ベルティカと、彼の前に現れた謎の美女、ヤンアル。彼が住むロセリアの地には紅い翼を持つ伝説の騎士の言い伝えがあり、その伝説をなぞるようにヤンアルもまた美しい紅の翼を持っていた。
ヤンアルと出会ったことで成長していくベルティカ、ベルティカと出会ったことでヤンアルもまた数奇な運命に巻き込まれていく。そしてベルティカにも怒涛の試練が待ち受けていて……。
主人公格のみならず、主人公たちを取り巻く人々もすごく魅力的です! イタリアを舞台に、中華の要素も持ち合わせた世界観は新しく、ロマンもあって惹き込まれます! 2人の恋路も目が離せない……(むふふ)
顔だけは良いと言われる弱小領主のダメ息子ベルティカ。
彼がとある事がきっかけで出会ったのは、異世界から召喚されたヤンアルだった。
文体から伝わるヤンアルの美しさ。絶世の美女すら彷彿される容姿に、ミステリアスな要素も加わった彼女。更には、武術の達人レベルで恐ろしいまでに強いときた。
一方、主人公ベルティカはダメ息子と称される通り、武に関してはからっきし。本当に顔が良いだけなのでは――なんて思ってしまうかも。
しかし、彼の良さはユーモラスと、争いを好まない温和な性格。時に、彼の言葉は男前やん、と思ってしまうこともあったとり。
二人の関係はどちらかと言えば、ベルティカが守られる側。しかし、話が進むにつれ、二人の関係もまた変わってくる。
この作品は、西洋風でありながらも、随所に散りばめられた中華風の顔も併せ持つ。どちらも巧に融合されたストーリーとなっており、どちらの世界観も楽しめる。
中華風や武侠に馴染みのない方でも、入りやすい作風であり、更にはライトノベルの為、読みやすい。
ダメ息子がどうなって行くかも楽しみの一つ。
おすすめです。