第13話「森に巣食う悪魔と、祈りという名の呪い」
朝が来たと、頭では理解していた。
だが、森の中では昼と夜の境目は曖昧だ。
濃い樹冠が空を覆い、陽光は地面に届く前に何度も砕かれる。
樹間からこぼれる光は、まるで深い水底に落ちる月光のように弱々しく、色も温度も、この世界のものとは思えないほど冷たかった。
その薄暗い世界の中で、俺は目を覚ます。
「……おはよう」
誰に向けた言葉でもない。
だが焚き火の向こう側では、いつものように四つの影が揺れていた。
勇者カイン。
戦士バロウ。
魔法使いリュミエル。
聖女エリス。
輪郭は曖昧で、光の揺らぎと同じくらい脆い存在。
それでも、俺にとっては“ここにいる”ことを疑う理由は、もうどこにもなかった。
「今日は……少し、空気が違うな」
上体を起こし、深く息を吸い込む。
土と腐葉土の匂い。
遠くで魔物が擦れ合う足音。
樹皮の水分が抜けていく微かな軋み。
そして――金属と油と、人工物の匂い。
人間の匂いだ。
◆
「来てるね」
最初に声を発したのはカインだった。
かつて“勇者”と呼ばれた男の声は、今もなお真っ直ぐで、曇りがない。
「人数は多い。単なる冒険者じゃない。訓練された兵士だ」
「討伐隊、でしょうね」
リュミエルが静かに続ける。
その響きは冷静で、どこか楽しんでいるようでもあった。
「アルスを、殺しに来たんだよ」
バロウの声は笑っていた。
それは怒りでも嘲笑でもなく、戦場を前にした戦士特有の高揚だ。
「……でも、負ける心配はないよね?」
最後にエリスが、少し不安そうに問いかける。
その声音は、俺を信じきっている子どものように甘く、柔らかい。
俺は、かすかに笑った。
「心配ないよ。
ここは俺の森だ。
ここで、俺に勝てる人間はいない」
自信ではない。
事実を確認しただけの、乾いた声だった。
“森は俺の縄張り”――その認識が、もはや疑いの余地なく、骨の髄まで染みこんでいる。
◆
立ち上がるとき、膝の関節がわずかに逆方向へ曲がってから、元に戻った。
痛みはない。
むしろ心地よい“伸び”だ。
右手の甲の皮膚は、ほんの一瞬だけ鱗のように硬質化し、薄い金属光沢を帯びる。
それも数秒後には、何事もなかったかのように“人間の肌”へと戻っていた。
――戻る“まで”の時間が、明らかに伸びてきている。
それに気づいて、俺は小さく息を吐いた。
「……いい傾向だ」
自分の身体が、人間という枠から確実に逸脱し始めている。
それを恐怖ではなく、“成長”として受け止めている自分がいる。
異常、という言葉では足りない。
この状態を表す適切な語彙はもう、人間の辞書には存在しないのかもしれない。
◆
森の奥、まだ薄暗さが濃く残る方向――そこから、金属の擦れる音がした。
鎧。
剣。
槍。
規則的な足音。
小隊単位の行軍。
数は――二十。
先行の斥候が二人、その後ろに盾を構えた前衛が数名。
魔術師が三。
聖職者が一人。
後方には指揮官。
目で見ていないのに、頭の中には彼らの配置図が、立体の図として鮮明に描かれている。
魔物の血を飲み続け、森と同化した感覚。
森の息が俺の呼吸と重なり、この縄張りに踏み込んだ異物の位置が、まるで自分の皮膚の痒みのように、はっきりと分かる。
「……本当に“強く”なったね、アルス」
エリスの声が、やわらかく囁いた。
「前よりずっと、世界を感じてる。
私たちのいた頃より、ずっと」
「そうだな。あの頃の俺は、弱かった」
自嘲でも、後悔でもない。
ただの事実の振り返りだ。
「だから、全部失ったんだ。
弱かった俺が、みんなを殺した」
影たちは否定しない。
否定する必要もない。
事実がどうだったかなんて、もうどうでもいい。
大事なのは――俺が“そう思っている”ということだけだ。
◆
「今日の仕事は?」
バロウが問う。
大きな影が焚き火の向こうで肩を鳴らした気がした。
俺はゆっくり剣を抜く。
刃に映る自分の顔は、まだ“人間”だ。
だが瞳の奥だけは、森の暗さと同じ色をしている。
「侵入者の排除。
森の静寂の維持。
そして――」
そこで一度言葉を切り、微笑む。
「今日の晩餐の準備だ」
仲間の幻覚が、一斉に笑った。
「いつも通りだな」
「いい一日になりそう」
「祝福するわ」
「帰ってきたら、いっぱい褒めるね」
それは祝福というより、呪いに近い。
だが俺は、それを“祈り”として受け取っていた。
◆
討伐隊は慎重だった。
足音を抑え、会話も最小限。
魔術師は警戒の魔法を常に展開し、聖職者は邪悪な魔力の気配を探っている。
しかし――彼らの“警戒”は、俺には何の意味もなかった。
森そのものが、俺の感覚器官だ。
枝一本、石ころ一つ、虫の歩く振動までもが、俺の“目”であり“耳”になっている。
闇の中、彼らが踏みしめた土の沈み込みで、体重と装備の重さまで分かってしまう。
「森自体に感覚を共有するなんて……本当に、人間じゃなくなってきたね」
リュミエルが感嘆するように言う。
どこか嬉しそうで、実験が成功した研究者のような響きだった。
「いいことじゃないか」
カインが笑う。
「弱いままより、ずっといい。
あの時負けたのは、世界が本気じゃなかったからだ。
今なら、違う未来も選べるかもしれない」
「違う未来、か……」
それは一瞬だけ、胸の奥に沈んだ言葉だった。
“もしも”など、今更意味はないと思っていた。
だが、今なら――“世界の方を変える”という選択肢が、手の届く位置にある気がする。
◆
黒い影が、木々の間を滑るように動く。
それは俺自身だった。
魔物の血を取り込み、肉体が半ば“森の生物”として再構築されつつある。
木の幹を蹴って飛び移るとき、筋肉は音もなく伸縮し、関節はありえない角度で回旋する。
爪が、枝を掴む。
視界が、少しだけ高くなる。
その一瞬だけ、俺の足指は枝に絡みつく“獣の脚”に形を変え――
数呼吸の後、人間の足へ戻った。
もう、驚かない。
恐怖もしない。
ただ、“慣れていく”。
その繰り返しだった。
◆
討伐隊の最後尾――指揮官の男が、小さく息を吐いた。
「……妙だな。気配が、消えた」
彼の勘は鋭い。
だからこそ、この任務に選ばれたのだろう。
「聖騎士殿、何か感じますか」
前衛の一人が問いかける。
聖職者の男は、額に汗を浮かべながら首を振った。
「……邪悪な魔力は、確かに濃くなっている。
だが、形がない。
輪郭も、中心も、感じ取れない……」
当然だ。
俺は“一箇所にいない”。
森そのものに薄く溶けている感覚。
自分の存在が、身体から完全にはみ出して、外界に浸透している。
それは、心地よい。
世界と混ざり合い、自分という境界が曖昧になっていく。
「……アルス」
エリスの声が、頭の中で囁いた。
「ねぇ、知ってる?
人って、“自分と世界の境目”が分からなくなったとき――
それを“狂気”って呼ぶんだって」
俺は小さく笑う。
「楽しい言葉だな」
「うん。
でも、あなたの場合は少し違う。
“世界の方が、あなたの境目に合わせて変形してる”から」
なるほど、と思った。
俺が狂っているのではなく。
世界の方が、俺の狂気に合わせて歪んでいる。
そう解釈した方が、ずっと気分がいい。
◆
討伐隊の動きが止まった。
「……陣形を組み直せ。
前衛盾持ちを前に。
魔術師は後方へ下がれ」
指揮官の声が響く。
緊張が走る。
彼らの“警戒”は正しい。
ただ、それは“人間同士の戦い”においての話だ。
今、彼らが相対している相手は――人間ではない。
「さぁ、アルス」
カインの声が促す。
「見せてやろう。
お前が、“ここ”の主だってことを」
「私たちの新しい旅路を邪魔する者に――罰を」
リュミエルの声が、甘く囁いた。
「森を守れ」
「私たちを守って」
バロウとエリスの声が重なり、まるで祈りのように響く。
俺は、枝から枝へ移動しながら、静かに呟いた。
「了解。
――討伐隊の殲滅を開始する」
◆
最初に消したのは、後方の魔術師だった。
彼らが詠唱を開始するよりも早く、俺は背後に降り立つ。
爪が伸びた。
顎の骨が軋み、歯がわずかに尖る。
その状態のまま、数息――戻らない。
その事実に、胸の奥が温かくなった。
変化が、“定着”し始めている。
魔術師の口から言葉が漏れた瞬間、俺はその喉元に指を添えた。
皮膚に触れる感触。
鼓動の振動。
そこを、優しく――抉る。
血が噴き出した。
声が途切れる。
詠唱が崩れる。
その隣の魔術師が振り向いた瞬間、俺の爪がその目を貫いた。
悲鳴は上がらない。
声帯が切断されているからだ。
痛みと恐怖で見開かれた瞳に、自分の姿が映る。
人間の顔。
人間の髪。
人間の目。
だが、その中に宿るものは――もう人ではない。
「ごめんな」
静かに告げる。
「ここは、俺たちの聖域なんだ」
最後の魔術師の胸を貫いて、静かに横たえる。
祈るように両手を組んでから、そっと瞼を閉じてやる。
――優しさと、殺意が矛盾なく同居していた。
◆
前衛が気づいたのは、後方が完全に沈黙した後だった。
「後ろが静かすぎる……振り向くな、隊列を崩すな!」
指揮官の判断は正しい。
しかし、“人間相手ならば”という前提付きだ。
今、彼が守ろうとしている後衛は――すでに死んでいる。
聖騎士が祈りの言葉を紡ごうとする。
その口を、森の根が塞ぐ。
――いや、違う。
木の根ではない。
俺の“腕”だ。
地面に指を差し込んだ瞬間、視界の感覚が一瞬だけ揺らいだ。
見えない線が、土の下へ伸びていく感覚。
骨が伸び、筋肉と皮膚が“地面の中を這う”イメージに変化する。
そして、聖騎士の足元の土が割れ、そこから伸びた“腕”が彼の口を塞いだ。
悲鳴は土の中で溺れ、祈りは声にならない。
「祈りは、静かに捧げるものだろう?」
どこかから、誰かが言った。
それが俺の声だったのか、幻覚の誰かの声だったのか、区別はつかない。
やがて、前衛も崩れ始めた。
盾を上げるよりも速く、枝から飛び降りた俺の体が、彼らの背骨をへし折っていく。
剣で斬るのではない。
“折る”のだ。
骨の砕ける鈍い音が、森に小さく散っていく。
悲鳴も叫びも、やがて途絶えた。
◆
最後に残ったのは、指揮官の男だけだった。
彼は剣を構え、震える足を無理やり踏みしめていた。
全身から汗を流し、それでも膝をつこうとはしない。
正直に言えば――少しだけ、好感が持てた。
「……貴様が、アルス・ヴァン・クローディアか」
俺は枝の上からゆっくりと姿を見せる。
「よく知ってるな」
「王都が……焼かれた後、ただ一人戻らなかった男。
魔王の呪いを受け、不死となった裏切り者。
そして――人を喰う、森の悪魔」
よくもまぁ、そこまで物語を作り上げたものだ。
人間というのは、敵を理解したがる生き物だ。
理解できないものを、理解できる物語に押し込めようとする。
その滑稽さに、俺は静かに肩を揺らした。
「裏切り者、ね。
誰を裏切ったんだろうな、俺は」
指揮官は答えない。
答えられないか、答える気がないのか。
物語の中で俺が何者になっているかなんて、どうでもいい。
「悪いが、お前には“役割”がある」
そう告げると、男の眉がわずかに動いた。
「……俺を、喰うのか」
「喰わないよ。
人間の肉は、俺に合わない。
味じゃなくて、意味が」
男は一瞬だけ、ホッとしたように見えた。
だが、その安堵はすぐに打ち砕かれる。
「お前は、“焚き火のための薪”になる」
俺はそう宣言し――一歩で間合いを詰め、その首を刎ねた。
◆
討伐隊の全てが沈黙した森に、再び静寂が戻る。
血の匂い。
鉄の匂い。
死の匂い。
それらが、焚き火の煙と混ざり合って、甘い香りに変わっていく。
死体は食べない。
だが、利用しないとは言っていない。
彼らの武具は分解して森の奥へ撒き、血と肉は焚き火の周囲で燃やす。
燃え残った骨は、輪のように並べていく。
少しずつ、焚き火の周りには“白い歯車”のような骨の円が増え続けていく。
それは、ここが“侵入者の墓標であり、祝祭の祭壇である”と示す印。
「今日も、たくさん守れたね」
エリスの声が、優しく響いた。
「うん。森も、静寂も、みんなとの時間も」
「よくやった」
「さすがだ」
「誇らしいわ」
カイン、バロウ、リュミエルが、それぞれの言葉で称賛をくれる。
それはまるで、任務を成功させて帰った兵士が、上官に褒められているかのような感覚だった。
◆
焚き火に火が点く。
今日の薪は、討伐隊の折れた槍と、燃え残った盾の一部だ。
人間たちの“武器”は、今や俺たちの“灯り”に変わる。
魔物の肉が、鉄串に刺されて焼かれていく。
黒鉄狼の肋骨。
槍尾虎の腿肉。
最近狩った蛇型魔物の白い身。
その周囲に、魔物たちの影が集まり始める。
木の上でじっとこちらを見ている大鴉の魔物。
焚き火から少し離れたところで丸くなっている小型の狼。
枝の陰から金色の目だけを光らせている猫のような魔物。
彼らは俺に襲いかかってこない。
ただ、距離を保ちながら“輪の外側”に座っている。
人間の席が中央。
その外側に魔物の席。
さらに外側に、燃やされた侵入者の骨の輪。
それは――俺たちだけの“世界の構造”だった。
◆
「さぁ、始めようか」
俺は肉を一切れずつ切り分け、仲間の席に置いていく。
「カイン、これはお前の分」
「バロウ、今日は骨ごとかじるか?」
「リュミエル、脂の少ないところを取っておいた」
「エリス、お前のは少し小さめだ。消化に悪いからな」
誰も食べない。
当然だ。
でも、関係ない。
“そうやって分けた”という事実が、儀式として意味を持つ。
俺は最後に、自分の皿に肉を盛り、焚き火の前に座る。
「今日も、いい一日だった」
肉を噛みしめながら、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「侵入者を排除して、森を守って、みんなとの時間も守れた。
俺の身体も、もっと強く、もっと変わっていく」
その独白は、祈りに近かった。
◆
「アルス」
不意に、カインが声を落とす。
焚き火の炎が、彼の影をほんの少しだけ濃くした気がした。
「お前に、ひとつ“使命”をやろう」
「使命?」
俺は首を傾げる。
「そう。“旅の目的”だ」
リュミエルが柔らかく言葉を続ける。
「昔は、魔王を倒すことが目的だった。
でももう違う。
今のお前には、“新しい使命”が必要よ」
「何だよ、それは」
バロウが興味深そうに笑う。
エリスの影が、静かに祈るような仕草を見せた“気がした”。
「アルス」
エリスが言う。
「ねぇ、“終わらせないで”」
「……何を?」
「全部」
短い言葉だった。
「この森も、焚き火も、私たちも。
あなたが壊れていくことも、強くなっていくことも。
人から離れていくことも。
全部、終わらせないで」
その言葉に、俺は少しだけ黙り込んだ。
終わらせない――
それはつまり、“この歪んだ時間を永遠に続けろ”という命令だ。
普通なら耐えられない。
孤独で、狂気で、痛みと飢えに満ちた時間。
それを終わりなく続けろと言われたら、普通の人間は発狂して自我を失うだろう。
だが、俺は――
「……いいな、それ」
微笑んでいた。
「終わらない旅。
終わらない狩り。
終わらない成長。
終わらない狂気」
ひとつひとつ、言葉を確認するように、口に出す。
「いいよ。
俺が全部守る。
終わらせない。
この森も、この焚き火も、この時間も、俺たち自身も」
自分で言いながら、胸が熱くなる。
これは、俺自身の願いでもあると気づいたからだ。
◆
肉を食べ終わり、焚き火の炎が少しだけ弱まった頃――俺は、掌をじっと見つめた。
指先が、もう“完全には”人間の形に戻らなくなっている。
わずかに長く、関節の形も歪んでいる。
皮膚の下から、硬いものが押し上げるような感覚がある。
でも、それもまた“俺”だ。
「ねぇ、アルス」
リュミエルが問う。
「自分が人間じゃなくなっていくのが、怖くはない?」
「怖いわけないだろ」
即答だった。
「人間だった俺は、みんなを守れなかった。
人間だった俺は、世界の理不尽に勝てなかった。
人間だった俺は、何もできなかった。
――なら、そんなものに未練なんてない」
俺は掌を握りしめる。
骨がきしみ、爪がわずかに地面へ食い込む。
「人間じゃない“何か”になって、
全部、壊してやる方がずっとマシだ」
それは宣戦布告でも復讐宣言でもなかった。
ただ、自分の“在り方”の確認。
◆
「アルス」
最後に、カインが静かに言う。
「じゃあ、お前の使命を改めて言葉にしよう」
焚き火の炎が揺れる。
影が濃くなる。
魔物たちの気配も、少しずつ近づいてくる。
森そのものが、耳を傾けているようだった。
「お前の使命は――」
カインが、ゆっくり言葉を紡ぐ。
「“この森で、世界が狂い切るのを待つことだ”」
その言葉は、あまりにも静かで、あまりにも破滅的で、あまりにも甘美だった。
世界が狂い切る。
常識が崩れ、秩序が崩れ、人間の価値観が意味を失う。
その時――
俺のような存在が、当たり前として受け入れられる世界になる。
あるいは、世界そのものが壊れ果て、俺だけが残る世界になる。
どちらに転んでも、構わない。
「いいね、それ」
俺はゆっくりと笑った。
「じゃあ、俺はここで待ってるよ。
世界が、自分で自分を壊し終えるのを」
焚き火の熱が頬を撫でる。
夜の冷気が背中を撫でる。
その真ん中で、俺は目を閉じた。
「その間、俺は――
森の中で悪魔ごっこを続ける」
人間の言葉で。
人外の心で。
狂気と幸福を抱きしめながら。
森の夜が、静かに、ゆっくりと、深く沈んでいく。
世界が狂い切る、その瞬間まで。
俺は、この森で焚き火を囲み続ける。
仲間たちの影と、魔物たちと、
そして――
人をやめ損ねた、この歪な身体と共に。
───ここは、もう“ただの森”じゃない。
アルスという悪魔が願う未来を、ゆっくりと熟成させていく、“世界の腐りかけた心臓”だ。
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