その悪魔が願う未来

暁龍弥

第1話絶望から始まる旅

「なんだよこれ…」



~1週間前~


俺たち勇者パーティーは魔王の前で敗北した。

勇者も戦士も魔法使い、聖女もみんな死んだ。

勇者は魔王の拳一発でひき肉になり、ひき肉になった勇者が飛んできて戦士は死んだ。魔法使いは魔王の魔力に当てられショック死。聖女は、魔王によって最初に握りつぶされた。

俺の職業は暗殺者。勇者の右腕としてこれまでの旅をサポートしてきた。

探索時の索敵、酒場での情報収集、貴族との交渉...

鍛錬も1日も欠かさずにやってきた。ほかのメンバーもそうだ。

俺たちは人類の希望だ。いや、

そんな俺たちが、魔王の前に為す術もなく死んでいった。


「なぜ俺を殺さない...魔王...」


「なぜ?...なぜだろうなぁ...最初は私も殺そうとした。だが、殺せなかった。殺さなくてもいいと思ったのさ。だがただ殺さないわけじゃない、今からお前に呪いをかけよう。」


「呪い?」


「そうだ、お前には不滅の呪いを与える。どんなに殺されても何度でも蘇る。その、な。」


「ッグ?!」

体が熱い...苦しい...


意識が遠のく...




「ふふふ、さぁこの者はどんな物語を紡ぐのだろうか...フハハハハハ」






「ここは...」

ここは魔王城の近くにあった森の中か?植生が似ている。だがなぜここに?

確か俺は魔王に呪いをかけられて...

「そうだ!このままではだめだ、早く国に報告しなければしなければ!」



そうして俺は、祖国へと駆け出した・・・



~現在~


俺の目の前に広がっているのは瓦礫の山と化した王都の姿だった。

「なんでだ!ほかの街や村ではこんなことになっていなかった!」


王都の中は人の気配は全くしない。

そんな中、少し先に魔力の反応があった。

「おい、誰かいるのか!」


そこにあったのは、磔にされた王都の人々だった。

その下には魔法陣があり何かの儀式に使われたのがわかる。


「どういうことなんだ...」







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