第三話 街
背中が重いなあ。
街は和洋折衷なので、地面は石畳とレンガである。規模は大きくも小さくもない。夜明け。人々は寝静まっているので、スタスタと自分の足音だけが響く。
暫くして、俺は適当に開いている酒場を見つけ、導かれるままにそこに入る。
そこでは、大量の巨漢が大量の酒を飲んでいた。
「ご注文はどうしましょう?」
メニューは、揚げ鶏と酒しかない。
「揚げ鶏を2つ、と水。」
2秒ぐらいで出てきた。
「おい!食べていいのか?」
香りに釣られて目を覚ましたようだ。
「食べなくてもいいぞ」
さて食うかと視線を下にやると、俺の鶏はもうそこにはなかった。
追加で鶏を注文したところで、俺は思い出したかのように聞いた。
「そういえば名前は?」
ここで鶏が来る。
「私はティッシュ。本名はティシュティッシュシュティッティティッティーよ。あなたは?」
「ナカザキだ。遠い昔に世界を破滅に追い込んだマシーンがあってな、そいつの名前から取ったらしい。」
俺は深刻な面持ちで肉を切る。
「それは大胆ね。ところで、ナカザキごときがこんな量を食べられる程のお金なんて持ってないと思うんだけど。」
「酷い言いようだが、お金は少しあるんだ。ただこの金もいつか尽きる。何とかせねばな。」
「それならついてきて!」
ティッシュが立ち上がる。
そして、爆速で会計を済ませると、
俺を街の中心にある掲示板に連れて行った。
するとティッシュが、ある一つのポスターを指差した。
【海のどこかに眠る幻の魚、見つけてリッチになろうぜ!! from 海を愛する教】
と書いてある。
「今一番稼げるのはこれよ!」
「いや残念だが、俺の旅の目的はこんなゴミじゃない。」
ティッシュは絶望している。
ん?
俺はポスターを凝視した。
(この教団のマーク、指輪のと一緒じゃないか!)
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