第176話 ゆめうつつ


目は閉じて、でも意識はあるような

そんな曖昧なラインを漂っている


ゆめうつつで考える

私は何か不動のものになりたかったのかもしれない

ふらふらふらふら揺らぐばかりのこの世界で

たった一つ芯の揺らがない何かに

どこか憧れていたのかもしれない


そんなもの、あるわけないのに。


ゆめうつつで自嘲する

そんなだいそれた存在を目指すことすらおこがましい

ふらふらふらふら揺らぐばかりのこの自分が

たった一つ芯の揺らがぬ何かに

なれるわけなんて一つもなかったのだ。

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