第144話 切り捨てたものと残り物
いらないものを切り捨ててきたら
そこには言葉しかなかった
切り捨てられたものたちは
断末魔の叫びを上げて消えていく
耳をふさいで聞こえないふりして
消えてゆく彼らを見送った
胸は痛まなかったけど
なんとなく風が冷たかった
ほかにはもう何もないから
言葉で自由に遊び始めた
そこには無意味な言葉たちが
無造作に転がっていた
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