第18話 雨のにおい
雨のにおい
いつだか分からない
「あの日」を思い出すような
夕暮れの その一瞬を
目を閉じて
記憶をたぐり寄せ
いつかの夏の白日夢
面影を その表情を
近くて遠い
つかみ切れない距離を
遠くで鳴る
カミナリみたいな
あやふやでも
確かに灯る
おぼろげな君の笑顔
守るように 消さないように
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