ep5.みんな仲良し素敵な世界
鳥のような生き物達が、朝を告げるように鳴く。
暖かい気候の中、私リンネはというとーー
「みんな集まったね!! ではこれより、ゲームをはじめまーーーす!!」
人一倍やる気に満ち溢れていた!!!
「……うち、急用を思い出したわ。じゃあ、また」
「そこ!! すぐに帰らない!! まだ何も言ってないから!」
「帰りたくもなるわよ。あたしだって納得いかないもの。説明してもらおうじゃない。なんで、こいつらがここにいるのか」
両腕を組んだマヒルが、ご立腹の様子で彼女達を睨みつける。
四天王を呼びつけたのは他でもない私、しかしながら彼女が怒っているのはそのことではない。
「やあ、子猫ちゃん。お邪魔させてもらうよ」
「いやぁ、おいらもくるつもりなかったんだけどねん〜」
「そうかっかするでない、マヒル。怒るとしわが増えるぞ?」
そう、ここには現在、四天王の他に3人の客がいる。
ユサさん、アミさん、ルシェさんの3人だ。
なぜ彼女達が居るのか、ことの発端はユウナギがの発言からだった。
「そんなに嫌がらなくてもいいだろ、マヒル。オレはその、みんながユサと距離が縮まってくれたら、嬉しいなぁって思っただけで……」
「まさか! こいつらを呼んだのってあんたなの!?」
「反論したいのはやまやまですが、こればかりはユウナギ様の意見に賛成です。特にお二人は、ユサ様だけでなく、アミにまで冷たいではありませんか」
「言ってくれるのね。そこの錬金術師にしか心を開かないあなたに、言われたくないけど」
おそらくユウナギは、彼女であるユサさんの扱いを心配している。
というのも前科があるからなんだろうけど、それをなくしても彼女らの他人嫌いは相当なものだ。
かくいうアサカも、アミさん以外の人は塩対応。
特にマヒルとサヨは、他人に興味なさすぎるんだよなぁ。さすが元不仲四天王、というべきか……
「まあそーゆーわけだから、みんなで仲良くなるために私が考えました!! 題して、宝探しげーーーーむ!!」
「宝探しゲーム??? 何よそれ」
「昨日ユウナギと一緒に、リンネ印をつけたんだけど、二人一組ペアで、その場所を探してもらいます! ヒントもあるから超簡単! 組み合わせはぁ……ユサさんがマヒル、アミさんはサヨ、ルシェさんはアサカとでいってもらいます!」
これはあくまで、ユサさんやアミさんとの距離を縮めるための作戦。
不仲である二人を中心に、私が組み分けした結果だ。
ほんとはサヨとマヒルには、みんなと強引に組んで欲しいくらいなんだけど……
一対一のほうが、何かと話しやすいだろうし、何よりこれで、仲良くなってくれるかも!
「……この際なんだっていいわ。さっさと終わらせるわよ。で、そのヒントってのは?」
「えっとねぇマヒユサペアはぁぁ、"あー行きたかったなぁ、今日しか見れないのかぁ"……って場所!!」
「………は?」
「ルシェアサペアはぁ、"空を自由にっ、飛びたいなぁ〜〜"って場所」
「すみません、仰ってる意味がわからないのですが」
「そしてアミサヨペアはぁ、"月が……綺麗ですね……" って場所!」
「……リン、ふざけてるの?」
「はい以上です! ヒントの方は忘れないように、相方三人に紙に書いていれとくから。ちゃぁんと二人で力合わせること! はい、いってらっしゃい!!」
ほぼ無理やり、強引に3人の背中を押す。
嫌々ながらに行く四天王の後ろをついていくように、他3人も出ていく。
遠くなっていく後ろ姿に、見えなくなるまでひらひら手をずっと振り続けてー
「……みんな、行ったね? よぉし、ユウナギ隣すわぁって!」
「……まさかお嬢、あいつらを尾行するとか言わないよな?」
「尾行なんてしないよぉ〜だって私には、魔法があるからね!!」
そういいながら、魔法全書のページを開く。
唱えるのはもちろん、マヒルとサヨを閉じ込めた際にみつけた、他の場所で起こっているものを見る魔法だ。
そりゃあ確かに尾行もしたい、けど相手はあの3人。すぐに私の存在に気付かれてしまいそう。
だったら魔法で見ればいいだけのこと!! あ、でも良い子のみんなは真似しちゃだめだからね、リンネちゃんとのお約束!
「準備完了! さてさて、どんな感じかなっと……」
『ちょっと!! なんなのよ、これ!!』
……おや??
『なんであたしが、女の大群から逃げなきゃなんないのよ!! これだから嫌なのよ、この女といるのは!!』
映像を映し出した途端、なぜか彼女は一目散に逃げていた。
後ろにいるのは、もしかしてユサさんのファン、ってこと?
……うーん、マヒルがこんな感じだと、サヨも……
『このヒント的に、海で間違いはなさそうね。うちがみてくるから、あなたはここで待ってて』
やだぁ、予想通りの単独行動〜
じゃあアサカはぁ〜
『こういうのはそれぞれで探したほうが効率的です。一時間後に、ここ集合でお願いします』
うん、もう全部予想通り!
私力合わせてって言ったよね?? どうしてこんなにいうこときかんかな、この三人は……
「……大丈夫かな……」
弱々しい声がする。
もはや呆れつつある私に比べ、発起人であるユウナギはどこか不安そうな声を漏らした。
「今もそうだけどさ。マヒルとサヨって、警戒心強いだろ? アサカも命令以外のことはしたくないだろうし……本当にユサ達と仲良くなんて、できるのかなって」
「んまぁ、一筋縄じゃあいかないだろうねぇ。でも、みんなに仲良くなってほしいって気持ちがあったから、ユウナギは言ったんでしょ?」
「そりゃそうだけどさ……全然仲良くできなかったオレが、こんなことして余計なお世話だって思われてないのかなって……」
「そんなわけぬぁぁぁぁい!!」
ユウナギのネガティブモードに、思わず声を荒げてしまう。
そんな私にびっくりしたのか、彼女は目を見開いた。
「みんなのためにやったことが、余計なお世話なんてことない! ユウナギ、いつもみんなのためにご飯作ったり、家で待っててくれたでしょ? 私思うんだ、ユウナギが優しくしてくれたから、三人は認めてくれたんじゃないかって」
「お嬢……」
「みんな素直じゃないだけ。それはユウナギが一番よく知ってる。そして、私も。大丈夫! 策はもう、すでに打ってあるから!!」
「えっ、策? そんなのあるのか?」
そう、大丈夫。
私は桟縁であり、恋のキューピット、リンネ様なのだから!
(後半に続く!!)
おまけの裏話
二人一組でゲームをすることになりました。
ユウナギ「なんか、ごめんな。お嬢の提案とはいえ、こんなことになっちゃって」
マヒル「別に、気にしてないわよ。あたしの相手があいつってのは納得いかないけど( ・᷄-・᷅ )」
アサカ「そういえば、どうして二人一組なのですか? 発起人とはいえ、ユウナギ様だけお留守番は不公平だと思いますが」
リンネ「わかってないね( ˘꒳˘)こーいうのは、一対一で話すのが1番なのよ〜(。'-')(。,_,)それに、ユウナギはちゃんと仲良くやってるしね」
サヨ「ふうん、そういうものなの?」
リンネ「あっ、そうだみんな! 話してる時に、あれ? 意外にかっこいいな? とか、あいつには勿体ないな、とか思ったらすぐ教えてね! 修羅場大歓迎だから!!(´。✪ω✪。 ` )」
マヒル「あんた絶対楽しんでるでしょ!(`Д´)」
どんな時でもぶれない、それがリンネ。
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