第45話 ジャンケンの苦い思い出

私は当時、誕生日プレゼントに跳び箱が欲しくて、考えを改めるよう母に諭されたくらい跳び箱が好きで、そこそこ得意だった。

(台上前転とかじゃなくて、ただ跳ぶだけなら)

だからゴムタイヤを跳ぶのも得意で、このゲームが周りより得意だった。


さらに、その子はクラスの女子の中でも1番を争うくらいの小柄な子で、私は身長の高い方から数えて片手に入るくらい。(1クラスに女子は15人くらいだったはず)

身長差・体格差もかなりあった。



よーい、どん!


ゴムタイヤを跳んで何度出会い、ジャンケンをしても、その時はたまたま全部私の勝ちだった。

(全部と言ったって、跳ぶスピードが全然違うから、3回くらいしかジャンケンはしていないけれど。)


そしてあっさり私が勝ってしまった。



戦う前から、私が勝ってしまえば負け惜しみを言われるなんてことは、想定内だった。

同級生相手に手加減するのも違うし、何よりそのゲームが好きだったから普通に本気でやっただけだった。




そこにいた大半の人から勝者として拍手を浴び、ゲーム自体も楽しく笑顔の私に、あらぬ疑いがかけられた。

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幸せの嘘 翌檜 @aoharu_shiyo

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