16 書類箱
こちら『書類箱』でございます。
『書類箱』でございます。
類似品のお道具箱にお気をつけください。
見た目は木箱でございますが、魔素を遮断するための魔道具で、ジメジメ湿気からも大事な書類をお守りいたします。
冒険者登録用紙を保管するための大事なアイテムとなっております。
――――
「では、これから登録作業を開始します。準備をしますので、少々お待ちくださいね」
厳かに告げると、ペルナは奥の事務室へといったん下がった。
子どもたちは大人しい。
同年の孤児院の子どもたちと比べると、妙に落ち着いている。
ペルナが退出し、しばらく待っていると衝立の向こう側から、バタバタと騒々しい音に混じって「あれがない」「これはどこにやった」「ここに置いたはずだ」「久しぶりすぎてわからない」など、なにやら不穏な科白が聞こえてきた。
「……………………」
「トラブルかしら?」
「たしか少々って言ってたわよね?」
「アレは……時間がかかるな」
なんともいたたまれない空気が、受付カウンターに充満する。
――――(『生贄奴隷の成り上がり〜堕ちた神に捧げられる運命は職業上書きで回避します〜』本編より)
「蓋に魔法陣がありますわね。魔法陣は単純なもののようですわね。これなら、わたくしにも作成できそうですわ」
「そうだな。ただキリの木箱に魔法陣を施したようだな。この魔法陣が、書類を様々な要因から保護しているようだ」
「様々な要因とは、なにかしら?」
「え――っと、防湿、防水、防臭、防縮、防振、防音、防虫、防弾、防寒、防火、防凍、防盗、防撃……一体、この箱はなにを目指しているのだ?」
〈イラスト掲載先・近況ノートに飛びます〉
https://kakuyomu.jp/users/morikurenorikure/news/16818023212688104836
〈この作品は……〉
3-21.これからみなさんに登録用紙をお配りします
https://kakuyomu.jp/works/16817330666712685959/episodes/16817330669336039318
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