第76話 サウナは猥談の始まり




 壁尻シスターはおちんちんシスターだった。




 いや、壁尻だった事実は消えようがない。

 壁尻シスターは壁尻おちんちんシスターだった。よし、これだ。


「つまりなんですか? 皆さんはわたしを女だと思ってたわけですか?」

「そりゃあ……お前……」

「あんな修道女のような恰好をしていたらなぁ……」

「あ、あれはスーリア教の正装です!」


 顔を真っ赤にしてアスが抗議の声を上げる。

 しかし、アスが男と判明したおかげで俺達の女湯侵入疑惑は晴れたわけだ。これで一安心。ゆっくり温泉を楽しめる状況になった。


 でも本当にびっくりした。

 だって、アスはゲームだと完全にシスター扱いのキャラだったもん。

 俺の聖典公式ガイドブックにも大して解説が載ってなかった。これじゃあ女性と勘違いするのもやむなしだろう。

 CVも女性声優さんが担当していたし、作中で入手できるアーカイブでも『姉』と呼ばれていた。


 ……いや、あのアーカイブ他人視点だわ。

 それに明言されていた覚えもない。


 じゃあ性別が違う可能性は最初から存在していたのか?


 お姉さんは男根得おねえさんだったってこと!?


 いや、待て。ここは確かにギルシンの世界。

 いくらなんでも主要人物の性別が変わるなんてことは──。


 ……。

 …………。

 ………………あったわ。


 一件だけ遭遇した記憶がある。


 はい、おちんちん裁判閉廷。

 傍聴人共は立ち退きな。けェれ! 見世物じゃねえぞ!


 先入観って怖いわね。ヒッププレス喰らったのに全然気づかなかった。

 でも言い訳をさせてほしいの。


──お尻がとっても肉厚でしたぁ……。


 完全敗北である。

 男の娘検定落第だ。


 言われてみれば確かに肩幅が男だわ。

 修道服を着ている時はケツのデカさと腹周りにベルト、それに喉仏を隠すチョーカーのせいで気付かなかったが、裸体を見たからわかる。これは立派な男根得さんです。


「これだから冒険ってのはやめられねぇんだ……!」

「わたしの体を凝視しながら何言ってるんですか」


 スススッ……、とアスは体を逸らす。

 大丈夫だよ、アスくん。俺にそっちの気はない。

 ただ、ギルシンⅣに登場した結婚できる男の娘ヒロインに脳を焼かれちゃった経験があるだけだから。


「……」


 けれども、気を悪くしたのか胸を覆い隠して体を逸らすアス。

 ちょっと無遠慮過ぎたか?


「あー、悪い。気分悪くしたなら謝る」

「いえ、そういうわけでは……」

「ラインを超えたなら全力でケツ蹴っていいから」

「償い方がおおよそ道徳と正反対なんですが?」


 そうじゃないんです、と。

 アスは自身の肩から肘にかけて、撫でるようにそっと手を滑らせながら呟いた。


 何の変哲もない所作だ。

 ただし、彼の下腹部に刻まれた刺青がなければの話だ。


、気になりますよね」


 困ったような笑みを浮かべ、アスは自身の刺青を指して言った。

 衣服を脱ぎ捨てれば否応なしに露わとなる刺青は、たしかに普通の感性では人目を憚る代物であるだろう。


 ……なるほどな。


「──聖痕せいこんか」

「っ……知ってるんですか?」

「ああ、知ってるぜ」


 俺は脳内に焼き付いたギルシン知識を思い出す。


「聖痕は神の受難の痕。転じて、信徒にとっちゃ神と同じ傷跡が体に浮かび上がる奇跡そのもの。肉体に浮かび上がった紋様に応じた祝福を当人に与える……だったか」


 アスは大きく目を見開き、ジッと俺を見据える。


「……なんだ、知ってる方だったんですね」

「少しぐらいはな」

「……安心しました。事情を知らない人が見ると、驚かれることが多いので」


 今までも苦労してきたであろう口振りでアスは告げた。

 まあ……うん。現れる聖痕次第ではお洒落とも言い難い紋様だから、関係ない人間にとっては複雑な気持ちになるのもわかる。


 今話した通り、聖痕は先天性の祝福のようなものだ。

 生まれた時にはすでに肉体に刻まれており、聖痕を宿した当人へ様々な恩恵をもたらすとされている。

 例を挙げれば筋力や魔力の向上。ものによっては罪魔法同様、聖痕限定の魔法をも扱えると言われている。


 なので、敬虔な信徒にとっちゃあ垂涎ものの代物であることは想像に難くないだろう。

 地方によっては聖痕があるというだけで教団の重役へと重用されるのだから、その効力は目を見張るものがある。


 しかしながら、アスの表情はどこか浮かばない。

 そこへ、それまで沈黙していたベルゴが満を持して口を開いた。


「その聖痕……?」


 ビクリ、とアスの肩が跳ねた。


「……気付かれましたか」

「まあ、なんとなく……な」


 元とは言え、ベルゴは聖堂騎士団長だった男。

 本物と偽物の区別は瞭然だったらしい。


「フゥ……隠していても仕方がありませんね。この聖痕は仰られた通り、後から彫った偽物です。本来の聖痕とは違い、生まれながらに宿したものではありません」

「では、そうなると……」

「……他の教団がどういう決まりかは存じ上げませんが、少なくともスーリア教で聖痕を模った紋様を彫ることは禁止されています」


 俯いているアスの表情を窺い知ることはできない。

 けれども、その顔に掛かっている影こそが彼の内心そのもの。


「わたしは、昔──」

「よしっ、身体も温まってきたしサウナ行こうぜ」

「なんでですか?」


 なんでって……なんで?


「今の話終わりじゃないの?」

「矢先だったんですが!!?」


 まあそんな気配はしたけども。


 だって……ねえ?

 聖痕周りの事情は俺も知っている。

 教団が神と崇める存在と同じ傷跡が体に浮かび上がるのだ。それを神聖視する者達が多い分、恣意的に聖痕と同じ紋様を彫って悪用しようという者も現れる。

 だからこそ、多くの教団では聖痕をそっくりそのまま模した紋様を彫ることを禁止しているのだ。

 アスがどのような理由で聖痕を彫ったかは知らないが、それを他人がズケズケと突っ込むのは無神経が過ぎるだろう。


 っていうのは建前で。


「めっちゃ……淫紋だな……」

「え?」

「いや」


 つい口に出てしまったが、既のところで誤魔化せた。

 そして、今一度アスの下腹部に刻まれた聖痕を見つめる。心臓……を模った薔薇の花弁に絡みつく茨といった意匠の紋様だ。芸術作品として見てもなんら遜色のない紋様は、血のような真紅にてアスの肉体へと刻まれている。


 とても……淫紋です……。


 デザインと場所が余りにもエロゲーのそれだ。

 ギルシンの世界観的にはとても神聖なものかもしれないけれど、現代社会出身者の視点から見ると淫紋であると言うほかない。


 総評すると、こうだ。

 ……触れ辛いわ!


「人には触れられたくない部分もあるだろ? 無理に聞くほど俺は野暮じゃねえよ」

「っ!」

「そういうのはもっと打ち解けてから……だろ?」


 それっぽいことを宣いながらキザったくウインクをしてみれば、それまで唖然としていたアスの顔に小さな笑みが戻った。


「そう……ですよね。すみません、勝手に自分のことをベラベラと」

「よし。じゃあサウナ行こうぜ」

「なんでですか??」


 なんでって……なんで??

 再度サウナを提案した俺であったが、怪訝も怪訝な表情を湛えるアスは、困惑を極めた様子で俺に詰め寄ってくる。


「なんで! なんでそこまでサウナに行きたがるんですかっ!!?」

「だって……男が温泉に来てすることと言ったら、サウナで我慢比べかチンチンの長さ比べだろ?」

「偏見が過ぎるっ!!?」


 不潔です!! とアスは湯煙に反響する声を響かせる。


「そうか……まあ、気が向いたら参加してくれよ」

「……チンチン比べにですか?」

何故なにゆえそっちの方が先に出てくる?」


 おい、清純装ってるけれどこいつも大概だぞ。

 思考にピンクの色眼鏡が掛かってんじゃねえだろうな?


「サウナに決まってるんだろ、サウナに!」

「あ……ああ、そっちですか! なんだ、ビックリしたぁ~!」

「俺の方がビックリしたわ。出会って初日の人間にチンチンの長さ比べは色んな意味でブッ込み過ぎだろ」


「自分の発言を省みたらどうだ?」


 でもね、ベルゴさん。

 流石に冗談ってわかる噓もあるわけじゃないですか。

 なに? 人による?

 ……ぐうの音も出ねえ。ぐう。


「ま、チンチンはさておきサウナで一汗掻こうぜ」

「……本当にチンチンは比べないんですね?」

「何警戒してんだ! 引っ張るな!」


 もうその話題は終わってんだよ。

 スッとサウナに行かせなさいな!


「まあ、それなら……」

「サウナの後のビールは旨いぞ~」

「わたし、聖職者なので……」

「あっ、もしかしてお酒飲めない?」

「麦茶でしたら……」

「振って泡立てろってか?」


 野郎三人、一物をブラブラ揺らしながらサウナへと向かうのだった。




 ***




 一方その頃、アータンは。




「わぁ~、このお風呂シュワシュワする~! 気持ちいぃ~♪」




 ***




「「「フゥ~……」」」


 湯船から上がり、併設されていたサウナ風呂へと移動して数分。

 湯上りで濡れていた体には、すでに玉のような汗が浮かび上がっており、時折体表を伝ってポツリポツリと汗が滴り落ちていく。


「これだよ、これぇ……この感覚がサウナの醍醐味よぉ……!」

「全身から悪い物が排出されるような気分だな」

「はひぃ……暑ぃ……!」


 サウナを楽しむ俺達とは違い、アスは顔を真っ赤にして早々にダウン寸前となっている。


「はっはっは! サウナーとしての練度が低いなぁ、アスさんよぉ!」

「サウナーの練度ってなんですか……!?」

「サウナーとは、自らを灼熱地獄と極寒地獄を行き来することで法悦を覚えるようになった、常軌を逸した蒸気の狂信者共のことを言うのさ……!」

「な、なんていう人達……!」

「それはそれとして鉄仮面がヤベぇ熱くなってきたんで一旦水風呂行かせていただきやす」

「おい、狂信者」


 信仰心が足りてないとは言わないでくれ。

 物理的に火傷するかどうかの瀬戸際なのよ。クールダウンを挟ませてもらおうか。


 そういうわけで一旦外まで出てきて水風呂に飛び込む。

 ック~! 全身の拡張された血管がギュッと引き締められる感覚! 人体が生命の危機を覚えてアドレナリンがドバドバ生成されてるぜぇ~!


「フゥ~、さっぱりした」

「あ、帰ってきた」

「それはそれとしてサウナって体に悪いらしいな」

「誘った側がそれを口にした場合、何らかの罪に問えませんかね」

「落ち着くんだ、アスくん。その手に持つハタキは人を叩くための物じゃない」


 そうお固いこと言いなさんな。

 酒やタバコが体に悪くても許されているのは、嗜好品として人に許容されているからだ。


「お前もいっぺん試してみなって……トぶぜ」

「誘い文句が完全に危ないお薬のそれなんですが……」

「……よし、オレもそろそろ行かせてもらうとするか」

「ベルゴさん!?」


 乗り気でないアスを余所に、温まってきたベルゴも水風呂へと向かう。

 数十秒もすればザバーンと外から鳴り響く。


「ああ、なんと恐ろしいことを……」

「──フゥ、さっぱりしたな」

「どうだ、ベルゴ。

「ああ、

「ナニの話をしてるんですか!?」


 ナニって、ナニだが……。

 そんなことを口にすれば再び『不潔です!』とお怒りの声が飛ぶ。


「不潔て。単なる男あるあるだろ?」

「あるあるかもしれないですけど! そういう性的な話題はですね、もう少し節度を持って……!」

「と言われてもぉ……あっ、じゃあ今からお前のアウトラインを見極めることにするか」

「えっ?」


 アスは『何で急に?』と言わんばかりに唖然としている。

 だがしかし、個人の線引きというものは実際まちまちだ。誰かにとっては許容できる話題でも、また別の誰かにとっては許容できない……そんな当たり前を再確認する為にも、このやり取りは大切だろう。


「で? どうやって判断するのだ」

「そう焦るな、ベルゴ。一旦水風呂に行ってこい」

「たった今行ってきたばかりだわ」


 二度目の水風呂を提案したが断られた。悲しい。


「俺が今から適当な単語を口にする。それをアスがエッチか否か判断してくれればいい」

「……まあ、それくらいなら別に……」

「では第一問目! パンティー」

「不潔です!」

「嘘だろおい」


 俺まだ下着言っただけぞ?

 それを不潔と呼ばれちゃあ……。


「お前……もしかしてガバガバか?」

「不潔です!」

「違う違う違う。まだ二問目行ってないから」


 お前のエッチセンサーのことを言ってるんだよ。


「パンティーでエッチ判定していいのは小学生までだぞ?」

「で、ですが! 女性の下着を口にするなんて……ああ、破廉恥ここに極まれり!」

「……ま、まあこれはほんのジャブだ。では二問目いくぞ~」

「不潔です!!」

「は?」

「え?」

「……今何に反応した」

「……い、『いくぞ~』って……」


 やっぱお前の判定ガバガバだろ。

 おい、目ぇ逸らすんじゃねえよ。これはお前の問題だろうが。


「お前のエッチセンサー判定デカすぎんだよ!! 見境ねえのか!?」

「し、失礼ですね!! わたしだって自分なりにきちんと考えを持って……!!」

「『いく』をエッチ判定はお前の心がエッチなだけだろうが!!」

「そんな!?」


 アスはショックを受けたように項垂れる。受けるな。悪いのはお前だろうが。


「よし、三問目だ。こいつで全てを終わらせる……!!」

「ゴクリっ……!」

「ボッキディウム・チンチンナブリフェルム」

「……なんですか、それ?」

「……俺の故郷で有名なツノゼミ」

「へー」

「……」

「……」

「お前水風呂連行な」

「えっ、なんで!!? なんでですか!!? ねぇ!!?」

「うるせえ黙って付いてこい!!! お前のエッチンチンセンサーを修正してやるぅ!!!」

「エッチセンサーが改名されている!!? 待って!!! 待ってくださいって、ねえ!!! わたしまだ水風呂に入る覚悟ができてなああああ冷たああああい!!!」

「ぎゃああああ俺も冷たあああああい!!!」


「何をしてるんだ、お前らは」


 こいつのガバガバエッチセンサーを修正してやったのさ。

 判定広すぎるんだよ。ちょっと縮んどけ。


「冷てぇーーー!!? サウナ!!! 早くサウナに戻らねえと!!!」

「いだだっ!!! タマが体内に格納され始めてる!!! いだだだだ!!!」

「はっはっは、ザマぁねえぜ!!! 俺は一足先にサウナに──ぎゃあ、足滑ったぁーーー!!?」

「ちょ!!? わたしの方に転ばないでくださ痛ぁあああ!!?」

「また冷たああああああい!!?」




 ***




──一方その頃、アータンは!




「お風呂上りの牛乳おいしぃ~!」

「お客さん、こちらで按摩をやらせていただいておりますがどうです?」

「本当ですか!? ぜひ!」




 ***




「はぁ……はぁ……」

「ぜぇ……ぜぇ……」


 不本意な水風呂二連撃を挟み、俺とアスはサウナへと舞い戻っていた。


「フ、フフ……体が温まってきたなぁ……!」

「キンキンに凍えてるんですが?」


 大丈夫大丈夫。

 よく言うじゃん? 手が冷たい人は心が温かいって。全身キンキンに冷えている人なら、それはもう心が燃え盛っている爆熱太陽神な人だよ。


「ここまで来たらもう白黒つけてやる……! お前の心がエッチな思考に侵された桃色脳味噌であるか否かを……!」

「くっ……望むところです! わたしは敬虔なスーリア教の宣教師! 純潔を尊び、不純を罪とする教えを常日頃守っています! そんなわたしが不潔な思考に侵されていることがあろうはずがございません!」

「スライム」

「不潔です!」

「ゴブリン」

「不潔です!」

「ドラゴン」

「不潔です!」

「おらぁ!! 水風呂連行じゃあ!!」

「やめてえええ!!? わたしはまだ死にたくな冷たああああああい!!?」

「俺もつべてぃいいいいいいい!!?」


 再度、俺はアスを強制連行して水風呂にINする。

 こいつはもう駄目だよ。脳味噌の皺がまさに今縮み上がっているキンタマの皺と連動しちゃってるもの。R18判定がオンラインゲームよりガバガバだよ。


 水風呂の刑を実行後、サウナへと帰還し、尋問を再開する。


「お前は胎教で官能小説でも読み聞かせられてたのか? ええ?」

「わたしの両親がそんな不潔な行いをするはずがありません……!」

「残念だったな。世の中の生命は全てお前の言う不潔な行為によって生み出されているんだよ」

「やめてください!!? 両親のそういう場面想像しないようにしてるのに!!」


 おっと、それについては悪いことをしてしまった。

 確かに両親のそういう行為はなぁ……うん。


「だとしても判定の緩さどうなってんだ。網膜に春画でも張り付けられてんのか?」

「酷い!!? ですが、こういうのは知識として身に着けてこそでしょう!」

「ほぉ~ん?」


 要は知識だけ一丁前に身に着けた耳年増ってことか。

 明らかに知識が悪い方向へと働いている気がしないでもないが、それならそれで面白いことを思い付いた。


「ねえ、知ってる? 豚のあそこってらせん状なんだって」

「……急になんですか」

「ねえ、知ってる? 男同士があそこをこすり合わせることを兜合わせって言うんだって」

「ちょ、やめてくださいよ……こんな場所でッ」

「ねえ、知ってる? 廃墟の街ってのは野外プレイの温床になりやすいんだって」

「……」

「……」

「──『らせん階段』……! 『カブトムシ』! 『廃墟の街』!」

「やめてください!!! なんかそれっぽい関連語を後から口にするのは!!?」

「『イチジクのタルト』!」

「やめろぉーーーッ!!!」

「ケツがぁーーーッ!!?」


 どうやらアウトラインに触れたらしく、キレのいいキックが俺の尻に飛んできた。ヤバいくらい痛い。こんなに痛いの、昔友達とふざけて辛さマシマシのラーメン食った時以来だわ。おケツが火ィ吹いちゃう。


「ぐ、ぐぉお……!!! そ、そうか……なるほど、そういうことか……!!!」

「えっ、何を理解したんです?」

「お前の中の線引きさ!!!」


 痛むケツを庇いながら立ち上がる俺。

 そのまま座ろうとするも、ジンジンと痛むおケツに対して熱々に熱された木材は拷問器具に等しいので、立ったままアスへと真実を告げる。


「ズバリ! お前は──」

「ゴクリ……!」

「何でもかんでもエッチに繋げようとするド淫乱シスターだから、最初から線を引こうとするだけ無駄」

「なんて慈悲のない答えを!!?」


「割と真理を突いていると思うがな」


 ここまで冷静に俺達のやり取りを眺めていたベルゴが、サラリと告げた。

 その言葉に尚更ショックを受けたアスは項垂れる。腰に掛けられていた手拭いで密かにテントを張っていたご子息の方も、ガクリと項垂れた。そういうとこだぞ、お前。




 ちなみにご子息の方は、かなりのBIG SIZEだった。

 あの時壁穴から抜けなかったの、その一物のせいじゃねえだろうな?




 ***




──一方その頃、アータンはッ!!




「お客様、お加減いかがでしたか?」

「最高でしたぁ……お肌もすべすべぇ……」

「ウフフフフ、ただでさえ卵肌だったお肌がツヤツヤですよ」

「えへへ、そうですか? ──それにしても、ライアー達遅いなぁ」




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