アヤカシである夫の詩と人間の少女で妻の紬、仮り初め夫婦の勝負の行方は?
- ★★★ Excellent!!!
ヒロイン紬の物語の始まりは悲惨なものです。
母と二人で暮らしていた紬は、父方の親戚の月城家に幼い頃に引き取られます。この家でのとてつもなく辛い境遇に胸が痛みます。
大好きだった母のことを思う紬、捨てられたんだと語る姿も痛々しいのです。
ですがそんな状況でも、紬は心の芯の強いヒロインでした。
月城家の当主に、紬は狐のアヤカシの元に嫁ぐように命じられ、この逆境での復讐を目論んでいます。
果たしてその復讐とは……?
夫になるアヤカシは紬が思い描いていた者とはかなり違っていたのだ。
玉藻家次期当主の詩は、紬にとても優しくてあたたかい眼差しを向けてくれるのです。
しかも、紬のために用意した部屋がまた信じられないぐらいの待遇で、アヤカシの世界には無いと思っていた物が用意されていました。
詩は紬に一つの賭けを持ちかけます。
その内容は紬にとってとても有利で魅力的なものです。
「もし紬が俺のことを好きになったら、その時本当の夫婦になるっていうのはどう?」
「一年過ぎて紬を振り向かせることができなかったら、もう夫婦でいてくれとは言わない」
自信満々の様子の詩の提案に、そんなことはあるわけ無いと紬は了承するのですが……。
アヤカシの夫の詩にも色んな事情があります。
仮り初めの妻となった紬は詩との暮らしに戸惑いながらも、やりたいことをやっていいとう自由や安らぎや居場所を与えられ、やがて情が通っていく。
そんないつしか微笑ましく感じてきた二人の間柄でしたが、思わぬ事件やまわりの思惑が絡んで、平穏な日常が脅かされます。
ハラハラドキドキな展開にわくわくが止まらない。
詩からの溺愛っぷりにツンデレな紬の反応が可愛らしいです。
アヤカシと人間の種族を超えて仮り初めに結ばれた紬と詩の夫婦の仲が、どうなってしまうのか?