第三十章 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ええっともう一回聞いてもいいか?
「・・・・・射・・・・・・・・・・次・・・・・
誰かの声でわしは目を覚ました。見ると
「美紀・・・・・みんな・・・」
「次射、どうだった?」
みんな深刻な顔をしている。どうやら心配しているそうじゃな。成功したかどうか。実際は失敗しておるが・・・
「成功じゃ」
この時、わしは人生一番のうそを言った。
「「「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」」」
わしが告げると先導して美紀がわしに抱き着いてきた。ほかの奴らはわしを胴上げしたりと、とにかく祝福してくれた。ここまで喜んでくれているとわしが嘘ついたのちょっと後悔しそうなんじゃが・・・・・・
「ちょっとわし、トイレに・・・」
そう言い、わしはとりあえず空き教室を後にした。
「う~~~~~ん・・・・・・」
困った。あれだけ喜んでくれると罪悪感で押しつぶされそうじゃ。
まったくどうしたものか。幸い、誰も気づいていないようじゃ。バレたら絶対にヤバイ。絶対に隠しきらなければならん!!うん、そうしよう!!
わしはトイレから出てみんなのいる空き教室に向かった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ええっともう一回聞いてもいいか?」
「実は俺たち、付き合い始めたんだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?
「ええええええええぇぇぇぇぇぇ!!?」
「あら、次射。気づいてなかったの?」
「逆におぬしらは知っとったんか!?」
「何なら次射以外はみんな気づいていたわよ」
マジか。これはちょっと衝撃。あの禾本と小鮒さんがまさか付き合っとったとはのう。
「なら明日、それを記念してわしがプレゼントを持ってこよう」
「マジか!?」
「でも、悪いよ・・・」
「気にするでない」
そしてわしは学校を後にした。その後ショッピングモールに向かって二人用のプレゼントを購入しに行った。
「うぅ~む、ああは言ったがどうしたものか・・・」
前世でもわしは相手にプレゼントを贈ったことがないのじゃ。じゃあなんであんなことを言ったかじゃと?一度言ってみたかったんじゃ。
とそんなこと考えている場合じゃないな。こういう時に美紀でも連れてくればよかったのう。
少しばかり後悔していると香水が置いてあるのを見つけた。なるほど、香水か・・・・・・
「これじゃな」
わしは小鮒さんのプレゼントとしてまず香水を買った。匂いは彼女が好きそうなものを勝手に選んだ。
「あとは禾本のやつじゃが・・・やっぱり楽器じゃろうか?」
しかし、奴はほとんどの楽器をそろえているだろう・・・どうしたものかと考えているとボーイスカウトの
「やぁ
「どうも」
「君がこんなところにいるとは珍しいね。何かあったのかい?」
いい助っ人がやってきたのでわしは事情を説明し、相談をした。
「なるほどねぇ・・・それならこれなんていいんじゃないか?」
そういい、北西さんがわしに見せてきたのは十字架のついたどこにでもありそうなネックレスじゃった。
「男はな、彼女と一緒のネックレスをつけていたほうが気分上がるんだぜ?」
「おお!」
「なぁ?いいだろう?」
「あっ、じゃがもう彼女用の香水を買っちゃったんじゃが・・・・・・」
「だったら彼氏にはこれだ!!」
そしてもう一つ、わしに見せてきたのは髭剃りだった。
「いや、いるか?それ?」
「いる!!」
「本当かのう・・・?」
まさかのチョイスにわしがあきれていると・・・・・・
「きゃああああああ!!」
突然、女性の悲鳴が聞こえた。悲鳴のあった方に視線を向けると、女性が倒れていて近くにいた男が鞄を持って走っていた。ザ・ひったくりである。
「・・・こんな堂々とやるやつがいるとはのう」
「追いかけよう、黒速君」
わしらはすぐさま走った。わしは被害者の女性のところに行き、安否の確認。北西さんが捕獲に向かった。まぁ普段から自然で鍛えている彼なら問題なかろう。
「大丈夫ですか?」
「はい、なんとか・・・でも鞄が・・・」
「大丈夫です、もうすぐ・・・」
女性を安心させながらわしが振り向くと遠くで北西さんが男を捕えていたところだった。わしはすぐに警察に電話し、到着を待っていた。
「チッ、クソが!!」
「むっ」
男は北西さんの拘束をほどき、わしに向かってきた。胸元から折り畳みナイフを取り出し、わしに向かって投げてきた。わしはギリギリのところでナイフの持ち手の部分を手の甲で弾き、襲ってきた男を軽く足払いし転ばせた。念のためを思って、
その後、警察によって男は逮捕され、わしらは女性からお礼された。女性の鞄にはおよそ250万円が入っていたことが明かされた。ちょうど番人のことで腹が立っていたのでいい気晴らしになった。
大変なことになったがようやく、二人用のプレゼントを買うことができた。帰宅したときにはもう20時を過ぎていた。今日はいろいろあって疲れたので夕食を軽く済ませ、風呂に入りベッドに横たわった。さぁそろそろ寝ないと遅刻してしまうな!そう思っていたらふとあの番人のセリフを思い出した。
『君の負けだ』
『君の負けだ』
『君の負けだ』
『君の負けだ』
『君の負けだ』
『君の負けだ』
一生頭の中でリフレインされる。なんか腹が立ってきたな。
おもわずベッドから飛び上がってしまった。まぁ少しだけ暴れるくらいならいいだろう。幸い、今日は
「クソォォォォあんにゃろぉぉぉ!!!!」
わしは数時間もの間、部屋で暴れまくっていた。
「おおおお、ありがとうな!黒速!!」
「ありがとう、黒速君!」
翌日、約束通りわしは二人にプレゼントを渡した。というかクラスのみんなのほとんどが知っていたんじゃろ?もしかしてわしのクラスの者たちには恋愛センサーでもついているのか?
『近年、窃盗や殺傷事件が相次いでいます。十分警戒をしてお過ごしください』
たまたまついていたテレビを見てわしは少しばかり驚いた。このごろ増えておるんか。ちょっと場の雰囲気が悪くなりそうなのでテレビのリモコンをとってテレビの電源を切った。そうだ、ちょっと禾本たちの恋愛話にでも話題を変えて・・・
「・・・・・・!?」
わしは何かを察して窓の方に振り向いた。すると突然、窓がバリンッと割れた。割れている窓の破片に混じって銃弾が飛んできてわしの頭を撃ちぬこうとしている。とっさにわしは
「なんだ!?今のは!!」
「次射!?大丈夫!?」
「来るな!!」
心配した美紀が駆け寄ってくるがわしは大声を出して止めた。するとまた銃弾がわしを襲ってきた。今度は
「みんな教室から出るんだ!!急げ!!」
「えっうそ!?」
「みんな急げ!撃たれるぞ!!」
わしの指示と禾本たちの指示で全員慌てて教室を出た。またわしに銃弾が襲ってきたがすべて
しかし相手はわしらを待ってくれないようじゃ。すかさず発砲し、わしらに銃弾が襲ってきた。わしは即座に凛香にも
そこからもう2発撃たれた後、攻撃が終わった。MPにはまだ余裕があるが体力が足りない。
「黒速!大丈夫か!?」
「凛香ちゃん無事!?」
避難していたクラスBの皆がわしらのところに駆け寄った。今回は誰もけがをしていないようじゃ。
「しかしいったい誰が・・・・・・」
わしが考えている間、遅延だけなぜかうつむいていた・・・
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