奴隷制度と弱肉強食が当たり前の魔族社会に転生する、という出発点だけでダークファンタジーとしての覚悟が見える。アビゲイルが善悪の枠組みに縛られることを拒み、ただ「自由に生きる」ことだけを目的に力を磨いていく姿勢が、レビューで繰り返し評価されている通りこの作品の芯になっている。
親友との殺し合い、父との戦い、容赦のない母の訓練倫理観が揺らぐほど苛烈な描写でありながら、その奥に居心地の悪さと温かさが同居している、という指摘が印象的だ。神域での異形存在との邂逅と記憶喪失、「スペースマン」という謎の存在が示す不気味な世界観の深みも、286話という長さを支える土台になっている。
弱肉強食の世界で生存権すら奪われる側に立たされながら、それでも生きたいという意思を捨てない執念に惹かれる一作。
※読み合い企画からのレビューです
スペースマンと名乗る男に無理矢理転生させられた主人公は、バジリスクと呼ばれる魔族に生まれつき、アビゲイルと名付けられる
弱肉強食の魔族社会で、彼女(彼)はどう生きるのか──という導入から始まる本作品は、主人公の価値観が非常に特異だ
自らが生きるためならば元同族の人間を躊躇なく殺害するし、目的のためならば決して手段を選ばない
本当に、選ばない
だが、アビゲイルはそれでいいのだ
より大きな悪で以て邪悪を押し潰そうと画策する彼女は、言わば悪のカリスマ
その魅力は読者にすら届く
凡百の善なる主人公には決して選ぶことのできない策謀を、彼女は躊躇うことなく実行する
清々しいまでの、悪
だからこそ、彼女は魅力的な主人公なのだ
ダークヒーローが好きな方は、是非一度手に取ってみてほしい
非常に凝った設定の異世界ファンタジーな本作。
といいうのも、主人公達魔族の思考や考え方と人間との対立と言うのがあります。
これは、中々見る事が出来ない価値観の戦いと言う、異世界のイメージは膨らむのですが、非常に難しいテーマを描いていて、作品の重厚感を感じました。
また、当然ながら上記のテーマを描くにはキャラクターを作り込まなければいけませんが、作者様はしっかりとそれを作られているように感じます。
戦闘描写もスピード感や魔法や武器等多彩な攻撃があり、スリリングでダイナミックな戦いが楽しめました。
重厚で独自性が高い異世界ファンタジーを読みたい方におススメです!
「バジリスク」という言葉で「おや?」と思いましたが、その種族的特徴や魔族全体の価値観、他に登場する種族などからほぼ確信しました。
これ、某TRPGシステムの設定がベースだ!
そう分かれば随所に見られる世界観を構成するものに、思わず全力で頷き、そしてニヤッとなります。
とはいえ、一般的には人族サイドのお話が多く描かれるであろうところに、多くの場合エネミー側として登場するバジリスクを主人公にし、なおかつダークサイドの側から世界を描こうというのはなかなか面白い試みです。
そんな「魔族」の価値観の中で生きる少女の強かな生き様は、実に味わい深いです。
元ネタとなっている作品を知らずとも楽しめますが、知っているとより楽しめること間違いなしの秀逸な作品だといえるでしょう。
人類の敵対種族へと転生した主人公が、大義のために敵も味方も巻き込んでいく異世界ファンタジー作品です。
主人公は生前の知識以外のほぼ全てを失った死者。
本来なら安寧の眠りにつくはずであった魂は、とある邪神の手で異世界へと転生を果たします。
生まれた先は魔族。望まれたのは生き足掻くこと。
世界は人族と魔族の対立が決定的であり、その戦火を啜り外なる神が顕現しようとしています。
その事実を知るのはごくわずか。世界を喰らう邪神に挑むためには、自身も悪鬼羅刹と叫ばれる必要すらもある。
果たして主人公は、世界の終焉を防げるのか。そして、全てが終わった先で、自由に生きることはできるのか。
ぜひ読んでみてください。