第13章「闇の組織」- 闇の組織の存在が明らかになり、立ち向かうべきか悩む

ミオとの和解を経て、ワイらは再び旅を続ける。

目的は変わらず、魔王を倒し、村の平和を取り戻すこと。

ワイ「よっしゃ、気を引き締めて行くで!魔王のヤロー、どこに隠れとんのか!」

リナ「ワイさん、気合い十分ですね!私も負けてられません!」

ゴウ「ああ、俺らの力を見せつけたるで!魔王如きに、ビビっとる場合やない!」

ミオ「みんな、ありがとう…私、もう迷わない。必ず、魔王を倒すわ」

高らかに宣言し、ワイらは意気揚々と進む。


…しかし、その旅の途中、予想外の事態が待ち受けていた。

ワイ「あれ?なんや、あの人だかり…」

街道の先に、群衆が騒然としている。

リナ「何かあったんですかね…?様子を見てみましょう」

ワイらは人だかりに近づき、事情を聞く。


村人A「大変なんや!この村、魔物に襲われて、壊滅寸前なんや!」

村人B「助けを求めても、誰も来てくれへん…このままやと、村は滅びてまう…」

ワイ「なんやと!?村が魔物に!?」

ゴウ「ちょっと待て。この村、ワイらが通ったとこと違うやろ。なんで魔物が?」

ミオ「まさか…この村にも、魔王の手が…?」

ワイらは顔を見合わせ、頷く。


リナ「私たち、力になります!魔物退治、手伝わせてください!」

村人A「ほ、本当か!?助かるわ!」

村人B「ついてきてくれ!村はこっちや!」

ワイ「よっしゃ、みんな!魔物退治や!行くで!」

一同「おー!!」

ワイらは村人に導かれ、村へと向かう。


村に着くなり、そこはもう戦場と化していた。

魔物A「ぎゃおおおん!!」

魔物B「ぐるるるる!!」

村人C「う、うわあああ!!た、助けてええ!!」

魔物たちが、容赦なく村人を襲っている。


ワイ「クソッタレ!村人になにしとんじゃ!」

ゴウ「あれだけおったら、一筋縄ではいかんぞ!気合い入れて行くで!」

リナ「ミオさん、私たちの力、見せつけましょう!」

ミオ「ええ!私の光魔法で、魔物を薙ぎ払うわ!」

ワイ「よーし!反撃開始や!みんな、行くで!」


ワイらは、勢いよく魔物に立ち向かう。

ワイ「喰らえ!ワイの剣!」ズバッ

ゴウ「無駄無駄無駄ァ!」ドガッ

リナ「私の炎で焼き尽くす!」ボワッ

ミオ「光よ、敵を貫け!」ピカッ

次々と魔物が斃れていく。だが、数が多すぎる。


リナ「はぁ、はぁ…こ、こんなに大量…」

ゴウ「ああ、切りがねえ…こりゃ、一日じゃ終わらんな…」

ミオ「でも…村人のために…私たち、頑張らないと…!」

ワイ「せやな…ここで諦めるわけにはいかんのや…!」

ワイらは息を切らしながら、それでも戦い続ける。


その時、不気味な声が響き渡った。

???「クククク…よくぞここまで辿り着いた」

ワイ「!?な、なんや!?今の声は…!?」

???「愚かな人間どもよ…魔王様に逆らうとは、よほど死にたいらしい」

姿を現したのは、一人の男。黒ずくめのローブに身を包み、禍々しい面持ちだ。

???「我が名は、ダークネス。魔王様直属の闇の組織、ブラック・アビスの幹部である」


リナ「闇の組織…!?」

ゴウ「そ、そんなもんがあったのか…!?」

ミオ「ま、まさか、魔王軍には、そんな組織が…」

ダークネス「愚問だ。我らブラック・アビスは、常に魔王様の意向に従い、人間界に混沌を撒き散らしてきた」

ダークネス「今回の魔物の襲撃も、我らの指示によるものだ。魔王様の野望のために、必要な犠牲だったのだよ」


ワイ「な、なんやと…!?てめえら、よくもそんなことを…!」

ダークネス「怒るがいい。だが、無駄だ。お前らでは、我らに敵うはずがない」

ダークネス「見よ、このブラック・アビスの力を!」

ダークネスが手を振ると、魔物たちの動きが一変する。

魔物A「ぎゃおおおおん!!」バキッ

魔物B「ぐるるるるる!!」ゴオオオ

一段と強力になった魔物たちが、ワイらに迫る。


ワイ「ち、ちくしょう…!こいつら、パワーアップしとる…!」

リナ「キャア!も、もう、無理!限界よ!」

ゴウ「うおおお!ここまでか!」

ミオ「そんな…私たちでは、どうすることも…」

ワイらは、為す術もなく、追い詰められる。


ダークネス「クククク…無様だな。人間の分際で、魔王様に歯向かうとは」

ダークネス「死ぬがいい…!ブラック・マジック!」

ダークネスが放った闇の魔法が、ワイらを直撃する。

ワイ「があああああ!!」

リナ「きゃああああ!!」

ゴウ「ぐあああああ!!」

ミオ「いやああああ!!」

ワイらは吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。


立ち上がろうにも、体が言うことをきかない。

ワイ「く、くそっ…ここまでか…」

リナ「ワ、ワイさん…ごめんなさい、私…」

ゴウ「ワイ、すまん…俺の力不足や…」

ミオ「みんな…私のせいで…」

絶望に包まれるワイらを尻目に、ダークネスは高笑いする。


ダークネス「哀れだな。せっかくここまで来たというのに、無様に散っていくとは」

ダークネス「いっそ、魔王軍に加われば良かったものを。お前らなら、使えたかもしれんのに」

ワイ「ふざけるな…!ワイらが、魔王のしもべになるわけないやろ!」

ダークネス「ほう。最後まで意地を張るか。ならば…死ぬがいい!」

ダークネスが最後の一撃を放とうとする、その時…


???「『神聖結界』!!」

眩い光の壁が、ワイらを守るように現れる。

ワイ「こ、これは…!?」

ダークネス「な、なんだ!?誰だ、邪魔をするのは!」

声の主を見ると、そこには見覚えのある姿が。

ワイ「ロウじいさん!?」

ロウ「ワイ殿!みんなも!無事か!?」


老賢者のロウが、駆けつけてくれたのだ。

リナ「ロ、ロウさん…!よかった、助かりました…!」

ゴウ「じいさん…なんでここに…?」

ロウ「フッ、わしにも耳あり、情報通よ。こんな事態を見過ごすわけにはいかん」

ロウ「さあ、みんな!わしが時間稼ぎをするから、その間に体勢を立て直すのじゃ!」

ダークネス「ほう、生意気な老人だ。貴様ごときが、我らに敵うとでも?」

ロウ「甘いな、闇の組織の戦士よ。わしの力、侮るなよ?」


ワイらは、ロウの援護を受けて、再び立ち上がる。

ワイ「みんな、大丈夫か!?」

リナ「は、はい!なんとか…」

ゴウ「ああ、まだ行けるで!」

ミオ「私も…まだ戦える!」

ワイ「よし!ほな、反撃や!ロウじいさんに、付け入るスキを与えるな!」


ロウ「汝らブラック・アビスよ。わしが相手になろう。さあ、かかってこい!」

ダークネス「愚かな…所詮は一介の老人!蹴散らしてくれる!」

ロウ「甘いわ!『聖光天誅』!」

ロウの放つ聖なる光の連撃。ダークネスは防戦一方だ。

ダークネス「ぐっ…!な、なんという力だ…!」

ロウ「どうじゃ?わしを『一介の老人』と見くびった報いじゃ!」


その隙に、ワイらも反撃に出る。

ワイ「ミオ!一緒にアイツを狙うで!」

ミオ「分かった!私たちの絆の力、見せつけるわ!『デュアルレイド』!」

ワイとミオのコンビネーション攻撃が、ダークネスに炸裂。

ダークネス「ぐわああああ!!」

リナ「ゴウさん!トドメよ!」

ゴウ「任せとき!『真・怪力無双』!!」

ゴウの全力の一撃が、ダークネスを捉える。

ダークネス「ば、馬鹿な…こんなことが…ぐあああああ!!」


ダークネスは地に伏した。動かない。

ワイ「や、やった…倒したんか…?」

ミオ「や、やりましたね!闇の組織の幹部を!」

リナ「ふ、ふぅ…なんとか、勝てました…!」

ゴウ「ロウじいさん、助かったで!」

ロウ「ワイ殿!みんな!見事な戦いぶりじゃった!」


倒れたダークネスに、ワイは剣を突きつける。

ワイ「ほれ、観念したらどうや。もう逃げられへんで」

ダークネス「く、くくく…愚かだ…本当に愚かだ…なぜ魔王軍に逆らう…?」

ワイ「決まっとるやろ。ワイらには、守るべきものがあるからや」

ワイ「村を、仲間を、この世界を守るために、ワイらは戦っとるんや」

ダークネス「守る…?ふざけるな…この世界に希望などない…ただ、魔王の支配があるのみ…!」


そう言い残して、ダークネスは消え去った。後に残ったのは、魔王の紋章の燃え滓。

リナ「消えた…!?ど、どういうこと…?」

ゴウ「クソッ…死んだふりして逃げたのか…!」

ミオ「ダークネス…ブラック・アビス…恐ろしい組織ね…」

ワイ「ああ、ここまでヤバい連中とは思わんかった…」


ロウ「みんな、気を引き締めるのじゃ。奴らの言うように、この先は闇の組織が立ちはだかる」

ロウ「ブラック・アビスを倒さねば、真の平和は訪れん。魔王のもとへ急ぐのじゃ」

ワイ「…みんな、どうする?ブラック・アビスと戦うちゅうことは、一層の危険が伴う」

ワイ「怖気づいて、引き返すのも、選択肢のうちや。ワイは、強制はせえへん」

ワイの問いに、仲間たちは答える。


リナ「私は…戦います。みんなと一緒に、最後まで」

ゴウ「ケッ、魔王にケンカ売られて黙っとれるか。俺は戦うで」

ミオ「私も…ブラック・アビスには、私と同じ転生者がいるかもしれない。でも、私は…みんなと一緒の道を選ぶわ」

ワイ「みんな…」

仲間たちの決意に、ワイは心打たれる。

ワイ「…そうやな。ワイも、みんなと一緒に戦うで」

ワイ「たとえ闇の組織が相手でも、ワイらなら怖くない。必ず、打ち克ってみせる」

一同「「「おお!!」」」


こうして、ワイらは新たな決意を胸に、再び旅立つ。

だが、ブラック・アビスという脅威は、予想以上に恐ろしいものだった。

ダークネスは、その氷山の一角に過ぎない。

果たして、ワイらに、闇の組織を倒す力はあるのか。

立ち向かうべきか、引き返すべきか。

葛藤は尽きない。


…しかし、ワイの心に迷いはない。

仲間を信じ、共に戦う。

それが、ワイの信念だ。

たとえ、どんな強敵が現れようと、ワイは負けはせん。

仲間との絆が、ワイに力をくれる。

ブラック・アビス如きに、ビビってなるものか。

ワイはニヤリと笑う。


ワイ「さあ、行くで。真の闇の向こうに、希望の光を掴むんや」

リナ「ワイさん…かっこいい!私も負けてられません!」

ゴウ「ああ、俺らは必ず勝つ。闇を切り裂いて、平和を取り戻すんや」

ミオ「私も…みんなと一緒なら、怖くない。必ず、使命を果たすわ」

ワイ「よっしゃ、気合い入れていくで!ブラック・アビスのヤロー、覚悟しとけよ!」

一同「「「おおー!!」」」


こうして、ワイらの新たな戦いの幕が上がる。

闇の組織・ブラック・アビス。

彼らの存在は、ワイらに大きな葛藤をもたらした。

立ち向かうか、引き返すか。

簡単に答えの出る問題ではない。

だが、ワイには仲間がいる。

支え合い、助け合う、かけがえのない存在。

彼らと共にあれば、どんな強敵も恐れはせん。

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