第7話 ロバ 宿題を食べる

あれから早くも3週間経った。

このバカロバは金を産む代わりに

何故か俺の宿題を喰う…。


故に…


今日も始まるのが宿題を賭けた

ロバ・モイティと俺との戦いである。


「くたばれ!!このバカロバァ!!!」


「ブルルルゥウウッツツッ、フフフッッン!!」


そして…何故か、

必ずいや、殆ど…俺がどういう訳か負ける。


「クソっっったれぇ!!!」


──教室にて、


「おい、天井…何度目だ。」


「…はい。これで24敗です。先生。」


「そこを真面目に答えるくらいなら、

ロバへの…抵抗の仕方が違うだろ。戦う前に

金庫買うなり、小屋にロバを抑え込むなり、

出来る対策をしろ。このバカ。」


「作り直してやってるこっちの身にもなれ。」


「すんません。」


クラスメイト達の笑い声を聴きながら、

青髭先生が既に先読みして用意してくれた宿題を貰い席に戻る俺だがこれだけはもう慣れなくない。


───昼休み───


贅沢三昧になってからというものの、

たまにしか買えなかったシャウエッセンで

たこさんウィンナーを沢山作れるくらいに

いつも麦飯の日の丸だけだった弁当から、

劇的ビフォーアフターを遂げた。


だが、いい事ばかりとは世の中いかないもんで、

俺の憂鬱はロバが宿題を喰うだけではないのだ。


「ごきげんよう。」


「金を産むロバと聞いておりますの。

 あの、そのロバは毛皮も金でして?」


「貴方はどんな呪いに罹っておりますの?」


「妹さんも呪われていませんの?」


「ごきげんよう。ああ、君が噂の転入生。」


「ごきげんよう。あ!金のロバの。」


…と言った具合に”金ロバの転校生”と覚えられ、

最近やっと1人でご飯がゆっくり食べれるようになったのである。


…俺の青春が箒しかないって何。

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