鉄分彼女

奏〜カナエ〜

貧血彼女

 彼女のめぐみは僕の理想のタイプだ。

 清楚系でとても可愛く、どんなこともポジティブに考える。そのポジティブさに俺は何度も救われた。まるで漫画のヒロインかの様だ。


 めぐみと付き合ってからは毎日がエブリデイだった。食べ歩きに行ったり、話題の映画を見にいったり、辛いことが起きてもめぐみのポジティブで二人は笑顔でいられた。


 だが、めぐみにはある悩みがあった。貧血でよくふらついたり、体調が悪くなってしまうのだ。そんな悩みをなんとかしようといろいろ調べていたら、鉄分の摂取が貧血予防になると知った。


 それから俺は、料理の中に小松菜やほうれん草などを増やしたり、お風呂上がりに食べるデザートのヨーグルトにプレーンを入れてみるなどして、鉄分の多い食べ物を積極的に取らせてみた。


 目隠しをし、食べ物クイズと称してプレーンをエンドレスで食べさせる鬼畜の遊びもした。


 しばらくそんな生活が続いていたら貧血の症状が無くなってきた。しかし、継続しなければまた症状が出てしまうと思いそれからも鉄分多めの食事にしていた。


        〜数ヶ月後〜


 夜、甲高い金属音のようなもので目が覚めた。めぐみの方を見ても体をポリポリとかいているだけだ。でも、あきらかにめぐみの方から音はする。何かおかしい。

 

 「めぐみ起きて、なんか辺な音が……え?」

 

 起こそうと体に触れた瞬間、顔が青ざめた。皮膚が金属のように冷たく、硬かった。死後硬直というものを聞いたことがある。人は死亡すると遺体は冷たく、硬くなると。


 「めぐみ!めぐみ!!起きろ!!!」と、必死に叫ぶ。すると、

 めぐみ「なぁに〜……どうしたの〜」と、寝ぼけたまま起きた。


 俺はあっけに取られた。死んでしまったと思っていたから、いつもの寝起きのめぐみがそこにいて思わず涙が出てしまった。


 「ほんとにどうしたの〜」と、頭をポリポリとかく。その時、またあの金属音が聞こえてきた。

 

「ん?」「え?」


 状況確認のために灯りをつける。めぐみには微かに光沢があった。意味が分からない。冷静になれと、自分に言い聞かせるが考えがまとまらない。めぐみは腕を組んで考えてこんでいる。


 しばらく沈黙が続いた後、めぐみが一言。















 「これがほんとのアイアンマンってね!」


 そのとき俺は考えるのをやめた。

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