天上の花

 毎晩人を殺している。決まって同じ、中肉中背で同年代の男だ。殴りつけ首を絞め喉を切り、声帯を喰う。

 いつからか男を殺した後、尼法師あまほうしが立つようになった。にらみつけると姿は消え、一輪の彼岸花が残った。それから毎晩一輪ずつ花が増えることになった。

 天井まで花がおおう頃、尼法師あまほうしが初めて口を開いた。

「お疲れでしょう」

つい見入ると

「そんな風に殺されてお気の毒でした」

と光の方を指さす。


花の降る中、私は口をぬぐい歩き出した。

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