私はわたしの味方じゃない
月詩
第1話
いつからだっただろうね。私達が歪んでしまったのは。ゆっくり壊れていったのか、気づいちゃったから壊れたのか。壊れたと、壊せたと思っても、本当は違うのかも。
いつになったら、私は全部を受け止めてもらえるの。私は一生独りぼっちなのかも。1人じゃなくても独りぼっち。私ですら味方になれないのだから、
中一の夏、私は自分が虐待されてるんじゃないかと思った。それはある夜に、お父さんが遅くに帰ってきたところから始まった。いや、始まってたことに気づいたのかな。
お父さんがお母さんを怒らせたの。理由は忘れちゃった。自分事だと思ってなかったから。そうしたら、明日のお弁当は各自で作ってって言われたの。で、お父さんが疲れてそうだったから言ったの。
「明日は自分でおにぎり作って持っていくね。」
でも、お父さんは断って自分がやるって言い張って。でも私は朝練で6時半とかに出るし間に合わないだろうし、仕込みとかやったことなさそうだしなって思ったの。
「芹明日、朝早いしいいよ。仕込みもしないとだからいい。」
「は?朝5時くらいに起きれば間に合うだろ。仕込みも朝やる。」
いや普通に仕込みは間に合わないでしょう。
「もういいよ。てかそこで寝るのやめなよ。風邪ひくよ。」
お父さんがソファで寝てたからそう言ったの。
「は?てめぇ、何親に文句言ってんだ?誰のおかげで生きてんだ?学費も食費も俺が出してるだろ。そんなに文句言いてぇなら学校やめて自分で稼げ。」
まあもっと色々言われてたけど忘れちゃいました。まあそれで薬のケースとか物を沢山投げつけられて、缶チューハイも投げられて中身もかかるし最悪。そしたらテーブルを挟んでたのに回り込んできて台所に追い込んで殴り飛ばしてきて、酒も溢れてたせいで吹っ飛んで壁に当たりました。はい。痛いですね。膝にあざが出来たー。そこから胸ぐら掴まれて耳元で怒鳴られ叫ばれましたけど、うるさすぎて内容忘れちゃいました。そこに妹の音も来てしまって今度は妹の胸ぐら掴んで芹と揉み合いになったところでお風呂上がりのお母さん登場。父はとりあえず家から出ていきました。
「俺が悪いんだろどうせ。全部俺のせいなんだろ。」
捨て台詞ですかね。ずっとこれよく聞くわ。音のパジャマはボタン取れちゃって、お気に入りのだったのに可哀想。まだ小学生なのに可哀想。まあ芹の場合、虐待とかが有名になる前の幼稚園とか低学年の頃は、家の外に放りだされてた。うちマンションで、そしたらご近所さんが心配して一緒にインターホン鳴らしたりされて、次からは庭になった。1人で鳴らしても開けてくれなかったから。それも控えるようになったら寝室に放り投げて部屋に閉じ込めるとか、ご飯抜きとかはよくあったね。ご飯の食べ方くちゃくちゃしないとか、箸の持ち方も怒られたなぁ。その割にお父さんいつも味噌汁ずずって飲むし、くちゃくちゃだけどね。だから私は付き合う人は絶対食べ方綺麗な人だよん。
お母さんがその後手当とかしてくれた時に、怒ってきいてみたの。
「なんで別れないの。離婚してよ。」
そうしたら何て言ったと思う。
「しないよ。もし嫌なら警察行ってきな。それは自分で選びな。」
そんなの当時の私には無理。警察も怖いし、学校行けなくなるのも怖いし、お父さん逮捕されて音に迷惑かけることになったらとか思って行けなかった。なんでお母さんは私に選ばせたんだろう。私を愛してないのかな。愛する娘が暴力加えられてても、離婚したりしないで離さないで一緒にいさせるなんて。でもお母さんは身体が弱くてよく病院に通ってるから、1人で私達を育てられないし、医療費払えないからなのかな。それならほんとに、政治とか政府を恨む。
私は本当に人生で1番この日を後悔している。私をもっと大切にするべきだった。自分の酷い扱いに気づいたなら、自分で守ってあげるべきだった。この日からずっと、私はわたしの味方になれない、味方じゃなくなった。
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