第二話『水の惑星』
__紀元四〇XX年__
ここは地球。
水の世界。
かつて陸だった場所は、海面上昇により、かろうじて残った高い山や山脈を除き、数千メートル下へと水没した。
人類は生き延びるために、世界各地の海中や海上に、海の都『アクアリウム』を作った。
しかし、増え過ぎた人類を収めるには、圧倒的にスペースが足りず、人々は限られた狭い狭い空間で暮らしている。
全世界に点在するアクアリウムは、血管のように張り巡らされた、無数の透明の管『
陸地が減り、エネルギー資源が極めて希少になった地球では、人の移動や物の輸送の多くは、このTubeを使って行われる。
海中のアクアリウムと、配管のためにやむを得ず低い場所に存在するTubeは、日に二回、海に沈み、日に二回、露わになる。
今も昔も変わらない、一日に二回の、月の引力による、潮の干満。
だが大きく変わってしまったと言えるのは、今や地球では何千メートルという酷い振れ幅で海面が上下する、という点だ。
そして、空には……
かつての美しく白い月は、邪悪な姿に変わり果ててしまった。
そう、二千年前の、あの日から……
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【アクアリウム】
約二千年前の海面上昇危機に際し人類が開発した、透明な巨大水槽のような外見の居住区。Tubeと同様、エクシウムを素材とする。作られた高さや地域によって、エクシウムの壁の厚みが異なる。水中にあるアクアリウムは、水圧に耐えるために、より厚く頑丈でなければならない。
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〈第三話『ダークエネルギー①に続く』〉
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