二つの記憶を抱えた少年ライアンと、過去を失った少女フィー。
そこへ機械人形イニが加わり、三人は“記憶の正体”を求めて歩き出す。
軽口を交わしながら距離を縮めていく空気が心地よく、旅の始まりにしてすでに絆の芽生えが感じられる。
しかし彼らが向き合うのは、優しいだけの世界ではない。
忘却と喪失、そして自分が何者なのかという問いが、旅路の先々で静かに立ちふさがる。
それでも歩みを止めない三人の背中には、確かな意志が宿っている。
記憶と存在をめぐるテーマを、冒険の軽やかさと共に描く物語。
読み手も思わず、彼らの旅に寄り添いたくなる。