【感謝!200,000PV達成!】【魔界無双】~非モテの俺が神と仏と悪魔に病気の姉が治るようお願いしたら、美少女悪魔の押しかけ女房とヴァンパイアの義妹に魔族にされて魔界へ拉致られました。
第421話 Sランクの余波……そっと出された魔界居酒屋の裏メニュー
第421話 Sランクの余波……そっと出された魔界居酒屋の裏メニュー
「紀伊室長のSランク冒険者認定を祝ってぇえええ! 乾杯!」
「乾杯~!」
ジョッキがぶつかり合う音が、店内に響き渡る。
店内は、すでに戦場だった。
ここは商業区域の居酒屋……「耄碌の滝」。
クレップスに指名されたアルフォンスが、妙に慣れた様子で乾杯の音頭を取っていた。
課業終了ラッパと同時に、全員がキンコンダッシュ。
そのままの勢いで連行された結果が、これである。
「ちょ、待て……」
「まずは、駆けつけ三杯で」
気が付けば、スパークリングワインが入ったジョッキを持たされていた。
ええい、もうどうにでもなれ。
ぐっと一口。
キンキンに冷えた炭酸が、舌をバチバチと叩く。
そのまま喉を一気に駆け抜けた。
ポン!
頭の中で安全弁が発動する。
何かが切り替わった。
「ぷはぁああ! 美味ぇええええ!」
「そうでしょう! 今日は飲みますよ!」
「イエェ~イ!」
クレップスの一言に全員がラッパーのノリで拳を上げる。
「お待たせしました~」
料理と酒が、次々と運ばれてくる。
……というか。
この居酒屋、畳敷きじゃねえか。
ここのオーナー、絶対大八洲で修行してきただろ。
ということは……
「とりあえず生」もあるのか?
一瞬、嫌な予感がした。
「……まさか、本当にあるのか?」
店員さんに声をかける。
「あの、ここのオーナーって大八洲で修行してきたのですか?」
「ええそうですよ」
「という事は……ビールも?」
その瞬間、店員の顔色が変わった。
「少々お待ちください」
奥へと引っ込んでいく。
……やっぱりあるな、これ。
しばらくして、前掛け姿の親父が現れた。
「お客様。ビールを御所望との事ですが……どちらで?」
声が低い。
「あ。俺、大八洲から来ているので」
一拍
「……わかりました」
「裏メニューですが。中ジョッキ一杯、1000クレジット」
……高っ!
だが、
「お願いします」
暫くして運ばれて来たジョッキ。
白い泡に蓋をされた、黄金色の液体。
ガチ物の「それ」だ。
「どこで手に入れたんです?」
「裏ルートで人間界から持ってきているんです」
親父がニヤリと笑う。
「ガチの生ですよ」
その言葉に思わず一口……
「……ッ!」
ガチの生ビールだ。
五臓六腑に染み渡るぜぇええ!
……思わず
「ぷはぁああ!」
横に居た親父がニヤリと笑う。
「お客さん。わかってますね」
「親父さんは大八洲のどこで修行を?」
「色々ですよ。銀座に新宿に渋谷に。居酒屋以外にもバーや寿司屋やレストラン渡り歩きましたわ」
「あっち(大八洲)で会っていたかもしれませんね」
「ですな」
俺と親父がお互いにニヤリと笑う。
「将校さん、今日は何のパーティで?」
「いや、ちょっとね」
「実は、彼が昨日Sランク冒険者になったんですよ」
クレップスが横から割り込む。
(ヲイ)
「そのお祝いですよ」
「何と!」
親父の顔がパッと明るくなる。
「それはおめでとうございます!」
「ありがとうございます」
「という事は、幻のブラックカードですな」
親父が一歩、身を乗り出す。
「私Cランクなんですが……まさかSランクの方と話す機会とは」
一拍
「あの……厚かましいお願いですが」
「ブラックカード、拝見させていただくことは……」
俺は周囲を一瞥する。
部下以外の、誰も見ていないな。
内ポケットから、そっとカードを取り出す。
「……こんなものですよ」
俺は座敷机の陰に隠すようにして、親父にだけ見せる。
親父の目が、一瞬だけ見開かれた。
が、すぐに、視線を落とす。
「……初めて見ました」
一瞬の沈黙。
小さく、息を吐く。
「いいものを、見させていただきました。ありがとう」
目を細めて礼を言う。
何事もなかったかのように、腰を上げる。
「ごゆっくり」
それだけ言って、厨房へと戻っていった。
……この後、さらに酷いことになるとは、この時の俺は知らなかった。
〜〜〜あとがき〜〜〜
この度は沢山の作品の中から拙作をお読み下さりありがとうございました。
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