第9話 商業都市リグラント
商業都市「リグラント」。この町には、彼の求める新しい知識や出会いがたくさん待っていると感じていた。
特に料理ギルド「ガストロフィア」は、郁夫が発酵技術を広めるための絶好の場所だった。
郁夫は道中、自分の錬金(発酵)スキルが持つ可能性についてさらに深く考えていた。シーラを救った経験から、発酵技術は食の分野だけでなく医療や他の産業にも応用できると確信した。
発酵は単なる食材の保存や風味を引き出すものではなく、異世界のさまざまな問題を解決する鍵になるかもしれない。
「リグラントではどんな挑戦が待っているのか……この世界の食文化や医療をどう発展させられるのか、考えれば考えるほどワクワクするな。」
歩みを進めながら、郁夫はそんな期待と希望を胸に抱いていた。
まずは宿を見つけ、休息を取った後、郁夫は町の中心にある「ガストロフィア」へと向かうことにした。
ガストロフィアは、異世界のさまざまな料理人や食材の専門家が集まる場所で、発酵技術を広めるための次のステップとして、彼はこのギルドに期待を寄せていた。
「ここがガストロフィアか・・・」
ガストロフィアの建物は壮大で、入り口には多くの料理人や商人が出入りしていた。郁夫は少し緊張しながらも、意を決して中へ入った。
中に入ると、賑やかな空気が漂っており、キッチンの音や料理人たちの声が飛び交っていた。郁夫はカウンターで受付をしている女性に声をかけた。
「こんにちは。僕は郁夫といいます。特別な技術を使って食材の新しい加工方法を開発したので、それを披露したくてここに来ました。ガストロフィアに参加するにはどうすればいいでしょうか?」
女性は少し驚いた表情を見せたが、すぐににこやかに答えた。
「新しい加工方法、ですか?それは興味深いですね。ガストロフィアには、さまざまな料理人や食材に精通した方々が集まっていますが、加工方法をという方は珍しいです。
まずはギルドマスターにご挨拶して、その技術について詳しくお話されると良いと思います。」
郁夫は感謝の言葉を述べ、ギルドマスターに会うための準備を始めた。リグラントでの新たな挑戦が、今まさに始まろうとしていた。
農業高校生は異世界で錬金(発酵王)スキルで世界を統べる王となる @megumitiger
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