第26話
「私、思うんだよね」
「嘘が本当になったら、どんなことが起きるだろうって」
「でもきっと、それは大きな事が起きるだろうね」
「世界が終わるっていったら本当に終わるんだもの」
「怖いね」
「恐い。」
「それほど、嘘というのはこわい。」
「真実か真実でないものかが分からない嘘は恐ろしい。」
「それが本当かもしれないし、本当じゃないかもしれない。」
「どっちかなんて本人にも分からない。」
「適当に言った嘘が本当になるっていう可能性もないわけじゃないからね」
「軽い嘘、重い嘘というのが存在するよね」
「もっとも、軽い嘘っていうのは冗談って表現をしたりもするけど」
「おかしいよね」
「嘘っていうと重大に聞こえるけど、冗談っていうと軽く聞こえる」
「10分って聞くのと600秒って聞いた時の反応が違うみたいな」
「なんでだろうね?」
「知らないうちに刷り込みをされているのかもね?」
「嘘っていうのはいつだって虚無で、空虚なものなんだ」
「犯罪にならない、重い罪」
「いつ誰が真実を言っているのかなんて分からない」
「他人よりも自分が一番信じられない」
「私より他人のほうが信じられる」
「だから詐欺が起こる」
「誰だって自ら行動しようなんて思わない」
「自分が責任を負えると思えないから」
「自分がなにかしでかすと思うから」
「だから誰かに押し付ける」
「怒りを、憤怒を、嫉妬を」
「恋情を、仕事を、暴力で、圧力で、言葉の暴力で。」
「嘘」
「黒くて、白くて、真っ黒真っ白な嘘」
「空虚で、虚無な嘘」
「
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