第3話 宇宙の海は…

無限に広がる大宇宙


宇宙の海はオレの海ー


 地上から見上げる宇宙ソラではなく、漆黒の宇宙空間を、私は進む。


 遥か何光年も先で燦然と星々が輝いている。

ああ、宇宙はなんて広いんだろう。


 人生で1度は場所。それは夢物語ではなく、今や民間人でも手軽に行ける場所になった。ワクワクドキドキする。


 私は今、月に向かってる。


 月には火星や木星、金星への探索へと旅立つ準備基地が、着々と建設されてる。


 そして、後ろを振り向き見れば……


え?

 

 ……そこには赤黒い錆色の星が浮かんでいた。


火星?


 そんなわけない、違う。前は月、ならばこの背後にある星は……地球?


 奇跡の星と謳われた太陽系第三惑星、美しき青き星は見る影もなく死の星と化してる。


 なんで? 地上の生命は? 人類は?


 滅んだ? 地球文明が?


 なんでそう思うの?


 ちょっと待って、視界が変だわ、自分の手足が見えない、どちらを向いても宇宙しか見えない。


 …私、今いったい? 


 夢? 違う…


 そう認識したら、唐突に理解できた。


 人類は、地上に生命反応は無い、でも私は生きている。


……いえ、生きていると言う表現が正しいのかわからない。


何故なら、私は「宇宙戦艦」だから。

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