第20話 少年達は、自慢する!
「カズナリ君、話せる?」
「うん、食事も終わったし、風呂も入った」
「宿題は?」
「終わった」
「じゃあ、数学の4問目、教えてほしいな」
「いいよ」
「ええと……」
「なるほど……」
「ありがとう、助かった」
「役に立てて良かった」
「カズナリ君って、教えるの上手いね」
「そうかな?」
「これから勉強教えてくれる?」
「うん、いいよ」
「やった」
「それより、ガーディアンの情報は入った?」
「うん、友達からグッズを貰った」
「グッズ?」
「うん、うちわ」
「何、それ? 本物のガーディアンの写真が貼ってあるとか?」
「まさかー! 空想上の絵だよ、飛べるガーディアンが飛べないガーディアンを乗せて飛んでる絵、顔は仮面」
「飛べるガーディアンと、飛べないガーディアンか、みんな詳しいね」
「前にも話したことあったっけ」
「うん、ガーディアンは基本的に2人1組なんだね」
「らしいわよ。まあ、噂だけどね」
「ふーん、その噂の出所が気になるなぁ」
「私もわかんない、でも、ガーディアンの情報を教えてくれるなら誰でもいい」
「そうだね、噂の出所なんて気にしなくてもいいよね」
「そうそう、まだ日本妖怪と一緒に西洋妖怪と戦ってるみたいだね」
「一週間くらい休戦するらしいよ」
「本当に? なんでだろう?」
「不眠不休で戦い続けるのはお互いにツライからじゃないかな」
「西洋妖怪って言っても、フランケンも狼男も魔女も吸血鬼もドラゴンも退治したんでしょ? 誰が襲ってくるの?」
「それが、狼男達が傷を治して戦線に復帰してきたらしい」
「えー! そんなの反則じゃん、1回倒したのに、なんで?」
「ガーディアンがトドメを刺さないからだよ」
「ガーディアンはトドメを刺さないの?」
「うん、無益な殺生はしないんだってさ」
「カッコイイ-! まさに正義の味方って感じ」
「そうかな?」
「また攻めて来ても、逃げたら追わないんだ」
「そうらしいよ」
「ますます憧れちゃう。じゃあ、またフランケンや狼男もやって来たのね?」
「うん、それに吸血鬼も」
「吸血鬼も?」
「うん、多分」
「多分って? わからないの?」
「うん、吸血コウモリの大群だけ現れて、吸血鬼自身は姿を現さなかったんだ」
「でも、コウモリがいるってことは、吸血鬼は生きているのね?」
「そういうこと」
「それは大変ね」
「だろうね、でも、魔法使いのガーディアンがいれば楽勝かも」
「そんなにうまくいくのかな?」
「難しいと思う。実は、ドラゴンも復活するという噂なんだ」
「ドラゴンも!」
「ドラゴンと吸血鬼が同時に現れたら、いくらガーディアンでもキツイかも」
「でも、きっと勝つよ、ガーディアンは」
「信頼してるね」
「だって、ヒーローなんだもん」
「そうだね、きっと勝つよね」
「でも、なんでガーディアンは命懸けで私達の街を守ってくれるんだろう?」
「そ、それは……」
カズナリは、そんなことを考えたことが無かった。
「カズナリ君にもわからない?」
「多分、正義感とか……」
「そうだよね、正義の味方だもんね」
「そうだね」
「ところで、外に出る方法って無いのかなぁ」
「無理なんじゃない?」
「外に出たい」
「外に出て、どうするの?」
「カズナリ君に会いたい」
「僕と会いたいの?」
「うん、デートしたい」
「デート?」
「うん、楽しそうでしょ?」
「うん、楽しそうだね」
「ねえ、いつか会おうね」
「うん、会おう、いつか」
「会えるかな、私達」
「会えるよ、きっと」
カズナリはデートという一言で、気分が舞い上がっていた。
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