第15話 トラブルとステータス
俺は安全地帯の中に人を残したまま外に出ることに対し、ただならぬ恐怖心を抱いていた。正確には扉を閉めた場合の話だ。
しかし、他の誰かが安全地帯の中にいる状態で俺が外に出て扉を閉めたらどうなるのか?その検証は避けて通れない。
万が一の場合命に関わる可能性があるため、安全地帯の中に俺以外の誰かが入っている時、俺と一緒に外に出ると決めていた。
しかし、もし内部に問題がなく、俺がどこかで出した入口から出入り可能なら、2人は中で待っていれば外で見付かったり魔物に襲われるリスクを背負わずに済む。
とはいえ、人体実験するわけにもいかず、準備に抜かりはないかと自問しつつも、動き出すことにした。
俺は安全地帯の中で2人に白濁の状態異常解除ポーションをぶっかけた。白濁液にまみれた顔は見た目があまりに酷く、絵面的にはアウトだったが、幸いにも2人は状態異常にはなっていなかった。
「女の子の顔に何てものを掛けるのよ!」
ミカは唸ったが、カナエは何がまずいのか全く分かっていない様子だった。
「そのままピュアに育ってください」
心の中で呟きながら、俺は2人の顔を拭き、髪の色を緑と青に整えた。
先ほどカナエは緑にしたが、ミカの髪を青にしたのだ。
カナエには引き続きメガネを外してもらい、防壁を目指して進むことにした。人目を避けながら進み、正門を右手に進んだ方面の角に近い人目のない建物の裏手で壁抜けを決行したのだ。
「あっさり街を抜けられたな」
俺は呟いたが、外は魔物が出る危険なエリアだ。
「実感がないかもだけど、ここはもう魔物が出る危険な所だから気を引き締めるんだよ」
気を引き締めるように2人に言ったが、2人の顔は真剣であり、今更だったようだ。
警戒しつつ40分ほど街道を歩いていた。
しかし、先日初心者用の森と勘違いして入った森の近くで、ミカの歩き方がおかしいことに気づいた。止まって確かめると、慣れない靴のせいで靴擦れができ、血が滲んでいた。疲労が濃く見え、限界を悟った俺は少し道を外れて林の中に入り、そこで安全地帯を出して休むことを提案した。
「今日はこれまでだ。休もう」
そう言うと、2人の顔に明るい笑顔が戻った。
「ありがとう、助かるわ」
ミカが言い、カナエもにっこりと微笑んだが、ミカは弱音を吐くことはなかった。
「しばらくここで休んで、体力を回復させよう」
俺が2人に言うと、安堵の表情を浮かべ、安心して安全地帯の中に入っていった。
外の危険を忘れ、俺たちはしばしの間、休息を取ることにしたのだった。
最初に控えておいたステータス
神原 美佳(カンバラ ミカ)のステータス
名前:神原 美佳
(身長165cm、体重50kg、年齢15)
1. レベル: 1
2. クラス: 無職(異世界召喚者)
3. 能力値:
力: 60
体力: 80
知恵: 120
魔力: 200
敏捷: 80
幸運: 70
魅力: 90
ポイント: 150
4. スキル: なし
5. 特別スキル: ノヴァ(Lv. 1)
山田三郎(やまだ さぶろう)のステータス
名前 山田 三郎
(身長165cm、体重80kg、年齢15)
1. レベル: 1
2. クラス: 無職(異世界召喚者)
3. 能力値:
力: 50
体力: 40
知恵: 70
魔力: 60
敏捷: 30
幸運: 80
魅力: 99
ポイント: 100
4. スキル: なし
5. 特別スキル: 安全地帯(Lv. 1)
【異常状態耐性】
【ステータス隠蔽】
南川 佳苗 (みなみかわ かなえ)のステータス
名前:南川 佳苗
(身長158cm、体重42kg、年齢15)
1. レベル: 1
2. クラス: 無職(異世界召喚者)
3. 能力値:
力: 100
体力: 75
知恵: 220
魔力: 220
敏捷: 100
幸運: 62
魅力: 80
ポイント: 200
4. スキル: なし
5. 特別スキル: 魔法創造(Lv. 1)
特別スキル解説
**安全地帯(Lv. 1)**
戦闘から遠ざかることに長けたスキル。小さな小部屋を出し、そこに逃げ込むことで異空間に待避する。出口はその場の相対位置になるが、部屋のどこにでも出せる。
**魔法創造(Lv. 1)**
初期は初級魔法相当が限度となり、その消費魔力範囲のオリジナル魔法が創造可能。
**ノヴァ(Lv. 1)**
一撃必殺の爆裂を放つことが可能な特殊技。1日に1度だけ使用可能で、全力を注いだ必殺の一撃を放つ。使用後術者は一定時間動けなくなる。
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