scene2 : 教室、休み時間
◇
休み時間、友達に用事があってやって来た5組の教室に、女のヤンキーが三人たむろしてて…しかもそのうち一人は茜だった。
こうしてみると、あいつがヤンキーだって思い知るな…。
「教科書はい。ありがとね」
「うぃー」
「―――おっ!」
友達に教科書を返して帰ろうとしたところで、茜が俺に気づいた。
茜は周りを見渡してから、ジェスチャーを振ってくる。外に出ろ…?
何人かの視線がちょっと気になる中で外に出た後、一緒に来た茜が言う。
「連絡先交換してなかったやろ? 交換しよーや」
「ああ、そっか。りょ」
いや周りの目が気になる…!
なんか変な感じで見られてるんだろうな…あー知り合いが見ながら通り過ぎてった…後で聞かれるかもなこれ…
連絡先交換はあっけないほどパッと終わって、軽く挨拶して茜が帰っていく。
で、案の定、今のを見てた友達が気になってそわそわしてた。
「鈴木、お前…
「あ〜……まあ…」
あいつの苗字、
「大場とかドヤンキー女じゃん…こわぁ…。善良マンの鈴木とあの大場が…どんな関係なわけ?」
「まあ……、そう思うよね…」
やっぱりヤンキーってことで知れ渡ってんだ?
今更だけど、そんな人から、全く接点無かった俺が…なんで話しかけられたのか、謎だよね…。
なんで俺だったんだろ…?
朝園とは知り合いだったけど…
ってことは…
もしかして朝園が俺のこと推してくれた…?
え…そうじゃね?
そうだったらヤバいぐらい嬉しいんだけど!?
いや、でもそれしか無いよね!?
「…大場とどんな関係って? 自分でもよく分からないわ。ははっ!」
「いやこっちの方がもっと分からないんだけど…?」
やっぱり今更 ”
◇
次の休み時間になると、早速、茜から連絡が来てた。
今日の放課後用事はあるか? って。
「別にない…っと」
あ、そうだ…茜の連絡先は教えてもらったけど朝園の連絡先はまだだわ。
ってことは、朝園に連絡先聞けるじゃん!
よっし…次会ったら朝園に連絡先教えてもらおう…
は〜〜〜、ニヤけちゃうな…
ドキドキする……
えっと、茜からメッセージ返ってきてるわ。
…えっと…学校終わってちょっと後か…駅の駐輪場に集合… ね。
この前なんだかんだあって入ったあの謎のクラブの活動として、今日はミーティングをやる予定らしい。
俺の初めてのクラブ活動かぁ…。
結局のところ、入ったクラブの事とか全く分かってないけど…こういうのなんかワクワクするよな…
「駅に集合してからどこ行くの? …っと…」
朝園も来るかな…?
どうしよ、時間的には着替えれなくもないけど…もうちょっとキレイめの服にしてこよっかな…?
それからすぐ後。また茜から返ってきたメッセージは、放課後をさらに待ち遠しくさせるのに
「えーっと? 放課後皆で集まって行くとこは……」
「…『秘密基地✌』…………?」
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