霧と煤煙に包まれた大ロンドン。
夜ごとに蠢くのは、偽切り裂きジャックたち。
技術者見習いのチャールズは、その美貌と好奇心が災いし、偽切り裂きジャックたちの陰謀の渦中へと巻き込まれる。
「この変態ペド野郎は、一体何者なんだろうね?」
しかし、チャールズには誰にも言えない秘密があった。
本当は、シャルロットという名の少女なのだ。
チャールズは、寡黙なマーティンと陽気なラッセルと共に、ロンドンの裏側に存在する『互助会』という組織を追うことに。
互助会では、少女と見間違えるほど美しい少年を、偽切り裂きジャックたちがトロフィー代わりに付け狙っているという。
そう、チャールズのように美しい『少年』がお気に入りなのだ。
警察とも手を組み、内通者を見つけるが、彼らもあっけなく消されてしまう。
真相は、未だに深い霧と闇の中にある――。
偽りと真実が交錯するスチームパンク・サスペンス、ここに開幕!
切り裂きジャック×スチームパンク×探偵×男装美少女!!
はい。面白くなる要素が目白押しです。全部があってこの作品の面白さは成り立つのですが、個人的には前2つ。切り裂きジャックとスチームパンクというのが押している箇所ですね。ここは彼といえばな要素なので切り離せません。それにこの作品において最も重要な要素でもあります。
切り裂きジャックと言えば、霧と共にある顔のないシリアルキラーというイメージが強いです。そして、輝かしい大英帝国の歴史に影を落とす存在。
史実では犯人の情報も錯綜しまくり、結局逮捕に至ることはなくというのがこれまででした。
しかし、本作ではこの箇所に上手いことメスを入れています。
ネタバレ回避のためにここは伏せますが、幾つもの重なった推理の果てに待つどんでん返しの形が完全に予想外でした!!
あのような構成になっていようとは!!
今現在は2章半ばですが、こちらも負けず劣らず不穏な空気。切り裂きジャックとはまた違う脅威にどう立ち向かい、その闇に隠れる真実を暴くのか楽しみです!!