ーepisode zero_three
「朝か……」
溜息が出る。
どんなに足掻いた所で仕事が無くなる訳では無いので着替え顔を洗い歯を磨く。腹は減ってないから朝ご飯は食べずに評価した生徒の作文と携帯をカバンに入れ家を出た。
休日出勤。
清々しい都会の朝。
鳥が鳴いて、車が鳴いて、全ての音が木霊している様な朝。家から学校は近い。
そして後十一時間で、武道館ライブ。
そんなこと考えていると学校に到着。
学校に来た理由は唯作文のコピーを取っておくためだけ。
学校に入り靴を履き替え階段を上がる。
「こんにちは!」
途中運動部の生徒から挨拶され自分も挨拶を返す。
時間的におはようございますだろ。
職員室に入りコピー機に直行。
コピー機に作文を読み込ませコピーを始める。
ザッザッ……
物販、早く行かないとな。
作業を続けるコピー機をぼーっと見ているとポケットにしまっていた携帯が振動した。
取り出し画面を開くとそこには一通のメール。
指紋認証でメールを開く。
「……え」
思わず零れ落ちた声。
「どうしたんですか?」
コピー機近くの教卓に座っていた理科教師の西原先生がはてなとこちらを見上げ首を傾げる。
「あ、いや、何でも、ない、です」
まずい。なんでなんでなんで。
ザッザッザッ……
一定の速度で鳴る音が大層鬱陶しい。
どういう事だ?
何でこの直前で……
武道館ライブ中止のお知らせなんだよ。
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