第3話 恋に落ちる
朝の香り
お日様の優しい眼差しと、パンの匂いで起き上がる。
ふわっと揺れた私の髪が私は好きではない。
それでもこの癖っ毛は治らないので、
肩に付く程度の癖っ毛を2つに結う。
結局、私ひとりではうまくできないのでメンダコみたいな髪型になる。
「このままの私を、こんな私を、誰も愛してくれないだろう。」
物心つく頃から、ずっと親や親戚のおばさんたちに
『もっと周りを見て、』『落ち着いて行動しようね』
と言われた。勿論、間抜けな声で
「は〜い」と返事をするだけだった。
幼稚園くらいから、『自分はどこか抜けている』
と自覚し始めるようになった。周りに迷惑をかけたくはなかったので、
ミスしないように注意しながら生活していた。
それでも、変わらなかった。
だから、キャラを作った。
ふんわりしていて天然でなんだか抜けてて何を考えてるかわからない、突拍子も無い事を言う奴。
それが今野萌花。
キャラがなんだか評判になり今は男女問わず、人気になった。
多分素の私は愛されない、綺麗事で多いかぶさなきゃ、みんな相手にしてくれない。
そんな考えに陥ってたら、楓が
「どうした?なにかあった?」と聞いた来た。
うげ…やっぱり分かるか。
「別になにもないけど〜??楓こそどうしたのー?」
「別に。萌花がおかしかったから」
別にって何よ。なんでこんなに私の中身が見えるの。
魔法使いなの?なんなの?
…もう、いいか。楓にあの事言ったらどんな反応するんだろ
楓は私の事友達としか思ってないだろうし。
「ねぇ、 楓 。」
「実はね… 」
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