014 全裸でゼミ

 こんな夢を見た。僕は全裸で、ゼミに出席する。僕以外は当然服を着ていて、彼らは何も言わないけれど、囲まれると恥ずかしくてたまらない。僕は大きなボストンバッグを持っていたので、それを抱え込むようにして、体を隠す。座学だけで済めばよいのに、今回に限って野外に実習に行くことになってしまった。こうなるとバッグだけでは隠しきれない。誰もこちらを見ない。ありがたいことだけど、いないもののように扱われるのは、どこかやるせない。そんなことを考えていると目が覚めた。

 暗い寝室、枕元に眼鏡が落ちている。レンズが割れ、フレームの歪んだ他人の眼鏡。しまっておかないから、犬にかじられるのだと思ったときに本当に目が覚めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る