012 地下鉄構内での書類仕事

 こんな夢をみた。夜、僕は地下鉄構内で仕事をしている。書類が沢山あるのだ。僕は書類仕事が大の苦手で、いつも、ぎりぎりまで溜めてしまう。

 今日中に終わらせないといけないのに、うだうだしていると、そこに好きな子が通りかかった。いつものように僕は好意を隠して、他愛もない話に興じる。僕は彼女と少しでも長く一緒にいたいから、同じ電車に乗りたい。なのに、書類仕事はまだ残っている。

 「仕事を済まさなきゃいけないんだ。じゃあね」

 こう告げて、彼女を見送る。

 薄水色のセーターが似合う彼女が深夜の地下鉄に乗り込んでいくのをそっと眺める。ふと時計をみると、次が終電だ。でも、仕事はまだ終わらない。絶望的な気分で目を覚ました。

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