第3話

「香昼、ちょっと胡椒とって」

香昼の旦那、正敏がラーメン

を食べながらそうつぶやいた。

「自分でとれよ」

「チェッ」

正敏が仕方なさそうに胡椒をとった。

「あっ、そう、そう、オマエの浮気相手な」

「ブッ」

正敏が思わずラーメンを吐き出した。

「なっ、なんだよ」

「香澄っていったっけ」

「よく知ってるな、いっ、いや」

「山の中に埋めといたからな」

「ご冗談を」

「ケータイつないでみろよ」

正敏が恐る恐るケータイを掛けた。

「つながらない」

「そりゃそうだろう、もうこの世にいないんだから」

「おまえってやつは」

「冗談だよ」

「なんだ冗談か」

「本当は青酸カリ飲ませて殺しといた」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る