第1話の主人公・上条拓のキャラクターが非常に好感を持てる。
祖父母を失い、一人になった静かな夏休みに、姉から届いたVRMMOのキットでゲームを始めるという導入が自然だ。大学院進学の理由が「就職できそうになかった」という正直さや、弁護士夫婦の姉への感謝と親しみの描写など、主人公の人柄が丁寧に描かれている。
特に際立つのが、ジョブ選択の場面だ。「忍者は外れジョブ」という評判を知っていながら、「ソロ活動に特化している」という一点だけで迷わず忍者を選ぶ判断が清々しい。前のゲームで人間関係に疲れてやめた、という背景を持つ主人公がソロ特化ジョブを選ぶのには、必然性がある。
忍者ジョブの説明も丁寧で、各ジョブの特性との比較が読みやすい。「強くなるより、自分のスタイルを貫く」という主人公の姿勢が、序盤からしっかり打ち出されている。
テイマーと忍者という組み合わせがどんな相乗効果を生むのか、続きを読む楽しみが大きい。