お祝いと嘆き
野森ちえこ
願いでつながる、パワーウィズの世界
2025年の春。わたしはNVC(Nonviolent Communication)と出会いました。
それは、世界各地で調停者として活動していたマーシャル・B・ローゼンバーグ博士が開発したコミュニケーションプロセスで、日本語だと『非暴力コミュニケーション』と訳されることが多いです。
非暴力というと、ガンジーとかキング牧師とか、あるいは聖書の『右の頬を打たれたら左の頬を——』的なものを連想されるかもしれませんが、そういったのとはまた別物です。
NVCは『いい人』になるためのものではないし、ましてや『聖人』になるためのものでもなく、またネガティブをポジティブに変換しましょうなんてものでもない。
ただ、自分を自分のままに、相手を相手のままに、深く深く、それぞれのほんとうの願いとつながることができるコミュニケーションツールなのです。
ものすごーく雑にいうと『誰も置き去りにしない対話アプローチ法』ですかね。
個人的には、ネガティブな気持ちもとても大切にあつかうところがNVCの素晴らしいところだなと思ってます。
どんな感情も自分を守るためにある。いいも悪いもない、すべての感情は自分の全応援団である。とは、わたしが出会ったNVC講師の方がいっていたことですが。ほんとうにそうだなと思います。
ネガティブな気持ちをなかったことにしようとしたり、無理やりポジティブに受けとろうとしても、元の気持ちが消えることはないし、むしろどんどん身体にたまっていきますからね。わかりやすいのはストレスで胃に穴があくってやつかな。
誰もが持っている、人としての根源的な願いをNVCでは『ニーズ』というんですが、そのニーズが満たされている状態を『お祝い』、満たされていない状態を『嘆き』と呼ぶんですね。
ニーズの一例をあげると、休息、安全、健やかさ、自己受容、信頼、食べ物、水、嘆くこと、正直さ、つながり、創造性、精神性、存在、命の祝福、などなど。
NVC、ニーズリストというワードで検索すると、いろんな関係サイトや講師さんなどがそれぞれに作成されたリストを公開しているので興味がある方は見てみてください。
で。NVCの世界観において大切にされているのは、お祝いにしろ嘆きにしろ、その感情の奥にある『ニーズ』を見つけることなんですね。
自分はなにを大切にしたいのか。相手はなにを大切にしているのか。そこにつながること。
NVCにおける、この自己共感と他者共感のあたたかさは、ちょっとこれまで感じたことがないような不思議な感覚で。
世界にNVCつかいが増えたら、そのぶんだけ世界平和に近づけるのではないかと、わりと本気でそう考えてしまうくらい。
とはいえ、どんなコミュニケーション術もそうですが、NVCも万能ではありません。
あまりのあたたかさに、これで『コミュニケーションのすべてが解決できる!』みたいになってしまう危険性もありますから、そこは気をつけたほうがいいかなと思いますが。
わたしが知っている講師さんは、NVCは『言語』だといいます。ペラペラの人もいればカタコトの人もいるけど、言葉だからつかえばつかうほど身についていくものだと。
そして、つけはずしができる『メガネ』であるともいいます。目が疲れたらはずせばいいし、かけたいときだけかければいい。
また当然ながら、NVCのメガネが目にあう人もいればあわない人もいる。あわない人は自分にあうメガネ(ほかのコミュニケーション術)をつかえばいいと。
なんにしろ、NVCもほかのどんなコミュニケーション術も、そのときどきで使用するかしないか『自分の意思でえらんでいいもの』だとわたしはとらえています。
ついでに、もっと早く知りたかったなとも思ったり。
自分にいちばん酷いことをした人をゆるせとかさ。
憎しみからはなにも生まれないとかさ。
世のなかには、身のうちでうずまいている感情をないがしろにするような教えがあふれていて、自分なりの答えにたどりつくまでにいったいどれほど遠まわりしたことか……。
もしも20年、30年まえにNVCを知っていたら、いまとはまったくちがう人生になっていたかもしれないなと思うのです。
まあ同時に、いま、このタイミングで知ったからこそ受けとれるものもあるのかなとも思うのですが。
なんにせよ、NVCは現在の日本ではまだまだ認知度が低いんですよね。
その道(コミュニケーション術)にけっこう精通していそうな人でも知らなかったりしますし。
この弱小アカウントではたいした宣伝効果はないかもしれませんが、ひとりでも興味を持ってくれる人がいたらいいなーということで、お題に乗じてみました。
あなたも『わかりあえない』を越えるコミュニケーション言語と出会ってみませんか?
自分責めしがちな人、人の感情に巻きこまれがちな人、またコーチングとかカウンセリングとか、お仕事などで対人支援をされている方には特におすすめです。
お祝いと嘆き 野森ちえこ @nono_chie
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