第19話 ルークを探せ
雨の夜空も悪くないな。真っ暗な空に重力に引っ張れて落ちる水の線。
水の線を一点に集中して見ているとなぜか心が無になる。
僕は誰?ここはどこだ?僕が僕に自問自答のループが脳内で続く。
「ポコン」ブラムのパーの手のひらが僕の頭のてっぺんに届く。
「何、考えてんだ、ノボル。おーい戻ってこい。」
「わるい。ちょっと気を許したら、雨の重力に引っ張れてしまった。」
何も気づいていないアカネが僕の顔をのぞいて
「ねえ、ノボル、また今度見せてね。晴れの日に。自慢の天体望遠鏡で空の星たちを。」
「いいよ。いつでも言ってくれ。」
ブラムが「みんな聞いてくれ、宇宙会議バプーの参加の条件でノボル僕らはルークを探さなくてはいけない。ルークもノボルの着陸地点に近いエリアで最後の交信をエーテル星へ送っている。たぶん近くにいる可能性が高い。」
「近くか。案外、隣の学校にいたりして。」
僕らの中学校は池田中学校だ。駅前のハヤトの出身の第一小学校の隣に第一中学校がある。
駅前の地区は中学校が選択できる。
ハヤトが「第一中学校はどうかな?近すぎて見落としているかもしれない。案外、そこの中学校にルークがいるかも。」
「そうだな。」
アカネが「もしかして、中学生以外ってことはないの?」
ハヤトが「ノボルの分身だろう。ブラムと同じ一卵性の双子じゃない可能性はないの?」
僕は「それはない。僕と同じ顔で髪の色が違うだけだった。僕は金色。ブラムが緑。ルークは赤髪だ。」
ブラムが「待てよ。あのイタズラ好きのルークだ、地球での生活を楽しんでいる可能性もあるな。進化系をつかって変身している可能性もある。」
僕は頷いた。「そうだな。ありえる。」
アカネが「進化系だと中学生の私達より年上ってこと?高校生とか大学生とか。」
ブラムが「たとえ進化系を使ったとしても髪の色だけは変えることができないんだ。」
「ピンポン」チャイムがなる。時計を見る。
20:08。
玄関を開ける。
「アカネ、迎えに来たぞ。」
「えっーーーールーク!」
僕の声にみんなが玄関に流れ込む。
ハヤトが「赤髪だ!」
ブラムが「ルーク何、変身しているんだよ。
バレバレだぞ。」
「そっか?」
アカネが叫ぶ「兄貴がルーク?」
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