灰のスタンプを封に押す彼の者は、心を殺し心を届ける。
- ★★★ Excellent!!!
まず最初に一言。
この話は胸が苦しくなるほど切ないお話です。
この話は主に軍事郵便という過去にあった職が主人公の役となっていて、戦場に赴き、兵士たちの心が籠った手紙を届け先にしっかりと届ける。簡単に言えばそれだけではありますが、注目すべきところは精密に描かれたドラマ性。
何日も何年も戦場に駆り出さられている兵士がいる戦場に、主人公がやってきたことで士気が上がり始める。
そして宴すらも始まる始末で、戦場なのに浮かれてるな……と思えば、自爆覚悟の突撃が翌日に行われるためだった。
だから主人公が一日しか滞在できないのに、引き留めようとしていたのか、とか戦場真っ只中で宴をする奇行をしたのかと色んなものがつながり、真実知った途端、兵士たちがどんな思いで手紙を書いたのかがぐっと伝わってきて、手紙の受け取り主は一般市民のため当然それらを知る術はない。
そんなドラマ性のあるなんとも言えない悲しさに襲われました。
もしも、もう大切な人や家族に会えないと知ったら。
もしも、自身が死ぬとわかっていたら。
大切な人や家族へ向けてあなたはどんな手紙を書きますか?