第2話 和風で現代ファンタジー

〈あらすじ〉

人には見えない妖怪の姿が見えてしまう少女、桜。両親の離婚を機に親戚の叔父夫婦の元へ預けられた桜は、ある日、叔父夫婦の家の近くの山で妖狐の少年、颯真と出会う。颯真との出会いを機に、彼が生活を共にする妖怪たちとの交流を深めていく桜。しかし、桜は前世で颯真たちと出会っていたようで……。


<登場人物>

一条桜……人間の少女。物語開始時点で15歳。誕生日は4月17日。身長157cm。体重51kg。柔らかい栗色のセミロングの髪。普段は髪を下ろしているが、戦闘時には緋色の髪紐で後ろに一つに括る。妖怪を祓うとき、瞳の色が桜色に変わる。武器は日本刀の桜雨。性格は引っ込み思案で大人しいが心優しい。昔から妖怪の姿が見えるため、周りの人間から敬遠されていた。両親を亡くして親戚中を転々とする。遠縁の若い夫婦に引き取られた先で、颯真たちと出会う。颯真たちとの出会いを機に、邪を祓う能力が次第に芽生え始める。前世は平安時代の貴族の娘、桜姫だった。

颯真……妖狐。見た目は15歳の少年。身長172cm。体重65kg。美しい銀糸の髪と紅玉の瞳を持つ。人間の姿に化けている時は、髪の色と同じ毛色の狐の耳と尻尾が生えている。天狐の姿の時は、美しい銀色の毛で全身を覆われていて、九つの尾を持っている。武器は日本刀の如月。普段は冷静沈着だが、感情が高ぶるとその冷静さを失ってしまうことも。年頃の少年らしい素直さも持ち合わせている。天狐である自分の力を利用しようとする人間たちに追われていたところを鳳たちに助けられ、それから彼らの家族になった。江戸時代、桜の前世である桜姫と恋人同士だった。

鳳……烏天狗。見た目は33歳の男性。身長188cm。体重77kg。肩まである長さの漆黒の髪。瞳の色は髪と同じ漆黒。左目は前髪で隠れている。月の光の加減や感情が高ぶると瞳の色が金色に輝く。人間の姿の時は髪や瞳と同じ色の大きな羽が背中に生えている。武器は日本刀の宵闇。普段は面倒くさがりだが、やる時は決める男。颯真たち身寄りのない妖怪たちの父親代わりとなっている。由緒ある烏天狗の一族の生まれだが、当主であった父を叔父に殺され、叔父の道具として利用されることになる。叔父への復讐の機会をうかがっていた時、家族にぞんざいな扱いを受けていた氷華と出会い、弟以外に初めて心の許せる相手だった。やがて、氷華が祟り神の生贄として嫁がされることになった時、その婚礼の儀を襲撃し、氷華を虐げていた彼女の家族と自分の叔父を生贄にして祟り神を封じ、氷華と共に日本中を旅することとなる。

氷華……雪女。見た目は27歳の女性。背中まである金糸の髪、白銀の瞳を持つ。透き通るような色白の肌。武器は扇の淡雪。おっとりして穏やかな性格だが、怒らせると誰よりも怖い。颯真たち身寄りのない妖怪たちの母親代わりとなっている。由緒ある雪女、雪男の一族の次女。凶兆の印である金糸の髪を持って生まれたため、家族からいない者として座敷牢に監禁される。誰からも必要とされず、時折姉の癇癪の捌け口として暴力を受ける日々を過ごしていた。そんな中、座敷牢に忍び込んだ鳳と出会い、初めて心を許せる相手を得る。後に祟り神の生贄として嫁がされそうになった時、鳳によって自分を虐げていた家族と鳳の叔父を生贄として祟り神を封じてもらい、鳳と共に日本中を旅することとなる。

森羅……人間と鬼のハーフ。見た目は38歳の男性。身長190cm。体重83kg。赤みがかった髪を短く刈り込んでおり、紺碧の瞳を持つ。額に一本だけ黄色の角が生えている。武器は日本刀の朧夜。普段は無口で表情もあまり変わらないが、心の内では熱い感情を持ち合わせている。鳳と氷華に対して厚い忠誠を誓っている。人間の母と鬼の父はお互いに深く愛し合っていたが、それを危惧した人間や鬼からも命を狙われることになり、逃亡の途中で母と父を亡くす。一人になっても追っ手からの追跡から逃げていたところを鳳たちに救われ、それから彼らの家族になる。

連捷……百目鬼。見た目は30歳の男性。身長186cm。体重78kg。背中まである緑灰色の髪を後ろで一つに括っている。瞳の色は紫安。武器は日本刀の夢幻、また法術も用いる。飄々として掴みどころのない性格。病的なまでの女好き。鳳と氷華に対して厚い忠誠を誓っている。元は人間の僧侶だった。日本中を放浪していたところ、村人に生贄にされそうだった女性と恋に落ち、村人の反対を押し切って祟り神を封印した。だが、髪の嫁を奪った罰として女性共々百目木に変えられてしまい、自分の変化を受け止められなかった女性は失踪し、その行方を追う中で鳳たちと出会う。の師に鳳たちの家族になるも、女性の行方を今も探している。

阿形……狛犬。見た目は15歳の少年。身長162cm。体重58kg。亜麻色の髪と瞳を持つ。髪は短髪で逆立っている。武器は日本刀の灯火。天真爛漫でどんなことにも興味津々な性格。心優しい神主がいる神社の狛犬だったが、神主の死後、地主に土地を奪われて居場所を失う。彷徨っていたところを鳳たちに拾われ、後に彼らの家族になる。吽形の双子の兄。

吽形……狛犬。見た目は15歳の少年。身長162cm。体重58kg。亜麻色の髪と瞳を持つ。髪は耳たぶまでの長さで切りそろえている。武器は日本刀の藤風。心優しい神主がいる神社の狛犬だったが、神主の死後、地主に土地を奪われて居場所を失う。彷徨っていたところを鳳たちに拾われ、後に彼らの家族になる。臆病で気がとても弱いが、純粋で人を疑わない。阿形の双子の弟。

桜姫……桜の前世。江戸時代、ある大名の家に生まれた娘。享年18歳。身長157cm。体重50kg。栗色の髪と瞳を持つ。髪の長さは背中まで。邪を祓う能力を持つ。その際、瞳の色は桜色に変化する。颯真のかつての恋人。颯真と駆け落ちして颯真の家族である鳳たちと共に暮らすはずだったが、駆け落ちの前日に白を何者かに襲撃され、駆けつけた颯真の腕の中で息を引き取る。

綾芽……鬼。見た目は17歳の少女。身寄りがないところを銀鉤に引き取られた。

疾風……化け狸。見た目は17歳の少年。身寄りがないところを銀鉤に引き取られた。

銀鉤……烏天狗。見た目は33歳の男性。鳳の双子の弟で、烏天狗の一族の長。雪華の夫。

雪華……雪女。見た目は28歳の女性。氷華の遠縁の親戚で、雪女の一族の長。銀鉤の妻。

紫電……烏天狗。見た目は32歳の男性。銀鉤の補佐。

慶雲……烏天狗。見た目は30歳の男性。銀鉤の補佐。

朧……烏天狗。見た目は15歳の少年。銀鉤の一族の子ども。

霞……烏天狗。見た目は15歳の少年。銀鉤の一族の子ども。


<テーマ>

妖怪と人間という異種族の交流。異種族間の対立。心を通わせることの難しさ。


<世界観>

現代和風ファンタジー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る