家族って何だろう――そんな問いを、ちょっと不思議な“実習”のかたちで鮮やかに描いてくれる物語に出会いました。
「妻は悪役令嬢、娘はあやかし、ペットは化け猫」というユニークなキャッチから、てっきりドタバタコメディかと思いきや、ページをめくるごとに胸がじんわり温かく、そして切なくなってくるのです。
過去を背負いながらも微笑む愛莉紗と、心に蓋をして生きる天風。不器用ながらも優しい2人のやりとりが、妙にリアルで愛おしくて。「家族って、きっとこういうことなのかも」と思わせてくれる繊細な温度が物語全体を包みます。散髪ひとつ取っても、そこには彼らの人生の重みと優しさがにじみ出て、静かな場面が一転、心を揺さぶるクライマックスに――。
そして、無垢な娘・のあと化け猫の存在が、どこかこの家族を守るように物語を柔らかく照らしてくれる。日常のひとこまが、なぜこんなにも心に残るのか。
まだ見ぬ「家族」の形に、あなたもきっと会いたくなる。そんな物語の扉が、今ここに開かれています。是非、皆様も読んでみてださいね。