画板をたたく/草原のなかに
夜明けの
長身の
「
「いえいえ、あなたのお姉さん……
「うん、帰りの道案内はわたしに任せて……」
そして自分の顔を上げきったあと、急にかくんとあごを落とした。
うつらうつら、頭部を前後に動かす。
彼女は画板をかかえて地面に座っている。
いままでの文章に添えてきた奇妙な絵は全て彼女の作品だが……これから載せていく絵もまた、ひとつ残らず
そんな
そもそも
屋敷の部屋を貸してくれた
だから朝になったいまごろになって眠気が襲ってきたのだろう。
さきほどから目もあまりあかず頭部を揺らしている。
しかし
ここでは紙がふやけてしまうからだ。
確かにその最奥に関しては、べっとりした空気感はないものの水滴を吹きかけられている感覚は、やはり存在する。
それも当然。
最奥の地の中央において噴き上げる水の柱がこの場所が「水」と無縁でいられないことを物語っている。
よって
このあと
だから眠らないように、あごを上げる。
首を動かす。水の柱と、噴水によって出来た鏡を見つめる
髪をこする行為は本来、
画板をたたいている指のほうは、じきにその表面をすべり、さながら絵をえがくように、不規則な軌道を見せ始める。
筆も顔料もないので、なんの絵にもなりはしないが。
そして寝転がっていた
そこでのやりとりは、ほとんど
そこを管轄する
噴き上げる水の柱のなかにいる
三女に比べて、次女の
……「思う者」たる
だから
「じゃ、ありがとう。
こうして
その正確さは、きのう
妹の
べっとりした空気と肥大した植物を抜けるたび、
とはいえ水滴を吹きかけられる感覚は、この地にいる限り持続する。
湿り気も植物も
したがって、泉に沈んで瞑想するのが趣味である
よって
そのなかで
「
「ああ」
彼女たちは現在、
そもそも
そんな彼女の仕事が終わるなら仲間の
ひいては
だからそのことを、現在のところ所在不明の
その上で対策を練るしかない。
また
「
対して
……ちなみに
その所有者は、長女の
* *
……最初から迷わず進めたからだろう。
三人は
まだ日は傾いていない。
湿り気が失せる。方向感覚が戻る。
ここからは
上下左右前後に繁茂していたはずの
代わりに
草の丈は、そんなに高くない。
いわゆる木はどこにも見られず、そこらの草に花がちらほら咲いている。
「
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