#2 ピアス
ピアスホールを増やした日のことを
たまに思い出す
1つ目は右耳、高校1年生
衝動的に、理由もなく
2つ目は左耳、高校2年生
彼がピアスをプレゼントしてくれたから
3つ目は眉尻、高校3年生
彼と別れたから
4つ目は唇の端、20歳
お酒を呑んだ勢いで
思いかえせば、
彼がプレゼントしてくれたピアスは
本当は好きなデザインじゃなかったし、
別れたときだって
彼の思い出を汚したくて、あけただけ
お酒の勢いであけたときは、
言いたいことも言えずに、
うじうじしてる自分が嫌だったから
あけただけ
たいした理由がなくても
全部に一生懸命だったし、
その時はそれが全てだった
小さな痛みが、大きな痛みを
和らげてくれる気がしていた
今日、5つ目をあける
わたしの舌に入るピアスは
また1つわたしを強くしてくれる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます