第十六話邂逅

第十六話邂逅


現在私はジデンの手を握りながらスカイサイクルをしている

乗る前は

「ユミナ乗るまでじゃといったろうが、はっ離すのじゃ!!」って怒られちゃったよ。

隣からは

「死ぬ死ぬ死ぬ…………高すぎじゃ!! 帰りたい……もう帰りたいんじゃ」

「漕がなきゃ帰れないよジデンそれにほら私も居るから安心して……ね?」

「はっ、離さんでほしいんじゃユミナ」

ジデンが上目遣いで私を見てきて思わず

「ジデン……可愛いすぎ!! 安心して絶対離さないから!!」と叫んでしまった。

するとジデンが

「可愛い云々はどうでもええからもっと、もっと気を紛らわしてほしいんじゃ!! きょうてぇんじゃ!!」涙目で頑張って漕いでいる。

前ではしゃぎながら漕いでいるモニカとクリス隣では涙目で叫びながら漕いでいるジデン……気持ちの落差が凄い

私がそう思っている時に後ろから二人の男性の声が聞こえた。

「海が見えるぞラッセル!!」

「見えるがそこまではしゃぎすぎるな。しかし綺麗な海なことは認めるが」

「前の人もうちっとスピード上げてくれないか〜」

「うちのテラドアが申し訳ありません前の方、あなた方のペースで漕いでいただいて良いので…………お前も謝れ!!」

するとジデンが前を向いたまま

「お主ら安心するんじゃ、わしらも丁度スピード上げようと思っとったところじゃから謝らんでええ」と叫んだ様子を見て後ろの二人、特にテラドアと呼ばれている人は笑いながら驚いていた。

私とジデンが漕ぎ終わった時にはすでにモニカとクリスは近くのお土産屋さんで買い物をしていた。

「私たちも行こっかジデン」

「そうじゃなユミナ」

「…………なあテアドア見つけたぞ」

「なんだよラッセルもう"聖者の血涙(せいじゃのけつるい)"を見つけたのか!」

「いいや違う英雄の娘の方だ」

「……ううん? どこだよ」

「あの娘だ」

「あっ、あいつは俺たちの前を漕いでたヤツじゃねえかよ!!」

「なあテアドア提案なんだが、今回は英雄の娘は見なかった、そういうことにしないか」

「珍しいなラッセルどうした? 風邪か?」

「あっいや、英雄の娘の件は見つけ次第捕獲だろ(あのジデンっ子に惚れたからなんて言えるわけがないだろ。英雄の娘のユミナと仲が良さそうだから見逃してソフィーア様からの捜索任務を受ければまたジデンに会える可能性があるとか……って何考えてんだよ俺は!?)だったらテラドア今回は聖者の血涙をすぐに獲って帰るぞ」

「ラッセルがいうならそうすっかな。遊ぶのはここまでっつーことで、探すか」

場面はラッセルとテラドアに切り替わる

「つーかさテラドアその聖者の血涙ってなんだよ」

「聖者の血涙とは『復讐心に蝕まれた聖者が流した血涙』と言われている呪術に使う最高級の材料だ」

「なんか名前安直すぎんか……つーかソフィーアが呪術使ってんの見たことねえけど」

「俺もみたことないな。自分で使わないんじゃないかやっぱり。写真は覚えてるな」

「そりゃあ覚えてる。というかラッセルさっきから何見てんだ?」

「あっ、ソフィーア様にお土産買うのはどうかと思ってな」

嘘を言ってしまった。

本当はジデンを見ていたとはやはり言えない

「帰り買うか? たまには感謝伝えねえとって考えてたししっかり選ぶぞラッセル!!」

「当然探してからな」

「んじゃ探すとするか」

そして場面はユミナたちに戻る

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なぜかバカタレと言われてしまう私が国を追放された王子に愛してると言われてしまいました。ほんとになぜ!? 暗黒神ゼブラ @ayumu20

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